実は苦手でした、かも
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「 ………ッ !! 」
地鳴りがする程の雷鳴に、一瞬イングズがビクッと体を強張らせたのを、ルーネスは見逃さなかった。
「 ────はっは〜ん、そういう事か」
人の弱みを握ったかのように、ルーネスは不敵な笑みを浮かべる。
「安心したぜぇ、イングズにもやっぱ怖いもんあるんだなっ?」
「に……、苦手なだけだ。恐れている訳では────ッ?!」
再び強い稲光と共に雷鳴が轟く。そして一瞬、ぎょっとした表情になるイングズ。
「へっへ〜、クールぶってる化けの皮、剥がれたなっ」
「べッ、弁解させてもらうが、私がまだ見習い兵士に成り立ての頃、ようやく剣を持たせて貰い、早く強くなる為に雨の日だろうが雷が鳴っていようと1人、特訓を重ねていた────」
「あ〜、なるほどな? 特訓中に雲行き怪しくなって雷鳴り出して、それでも続けてたら振り上げた剣の先に雷落ちてきた………みたいな話だろっ?」
ルーネスはまるで見ていたかのように話を引き継いでみせる。
「まぁ、そういう事────ッ」
またしても雷鳴につい体が反応してしまい、気恥ずかしさの為か顔を背けるイングズ。
「な〜んだ、ただの雷嫌いっていうよりトラウマかぁ。……てか、今より小さい頃よく雷の直撃受けて死ななかったな?」
「奇跡的、というか……2日程意識は無かったそうだが───ッ」
「それ以来、雷が鳴るとつい体が反応しちまうって事かぁ。……レフィアとアルクゥはまだ気づいてないみたいだけど、そうなんじゃねーかなぁとおれはちょい気づいてたぜっ?」
「な、何───ッ?」
雷雨のせいで声が聞き取りづらくなっているので、二人して声のトーンが多少高くなる。
「だってさぁ、アルクゥ今黒魔だろ? そのアルクゥがサンダー系の魔法放った時だけ、妙な感じしてたからな〜!」
「そ、そうだったのか……ッ」
「ん〜、まだ雷治まりそうにねーなぁ? 一緒の部屋で、おれが傍にいてやろうかっ?」
「い、いらぬ世話だ……!1人で部屋に行くッ」
〜イングズは背を向け、階段を上がって行こうとするが────
「どっかああぁん!!!」
ルーネスが不意に、後ろからイングズの耳元にこれでもかという雷鳴を真似た大声をかます。
───すると、やはり一瞬ビクッとして、そのまま硬直すると動かなくなってしまった。
「わりぃ、やり過ぎたっ? ……イングズ? お、お〜〜い??」
背中を軽くつんっと押すと、それだけで前のめってしまったので、ルーネスは慌てて後ろから両腕を腰回りに抱き込み支えようとする。
「うわ
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