暁 〜小説投稿サイト〜
リメイク版FF3・短編集
実は苦手でした、かも
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「 ────あら? 雷の音……? そういえば向こうの空、黒い雲広がってるわね……。早く宿屋に行きましょ、濡れるなんてごめんだわ!」


 レフィアに促され、とある町の宿屋に着いて少しすると雨が降り出して来た。雷の音も、段々と近づいているらしい。


「うほ〜、雷だぁ! 何かおれ、興奮してきたっ」


「はぁ? 何よルーネス、雷に興奮するなんてどーゆう神経してるのよ!」

「ルーネスは昔から、雷好きみたいなんだ。ウル村でもよく、雷鳴って雨降る中1人外ではしゃぎ回ってた事、何度もあるよ……」


 アルクゥが呆れたようにレフィアに話す。

「あんたそれ、雷に自分から撃たれに行くようなものじゃない。今まで何ともなかったわけ?」


「平気へーき! 結構近くに落ちたことあっても、今まで直接落ちてきた事ねーし!」


 ルーネスは飄々としているが、イングズは押し黙っている。彼が寡黙気味なのは、今に始まった事ではないが………


「おーい、イングズ? さっきから何黙って────」


 ピカッ、ズガアァン………


「 ひゃあ ?! 」


 レフィアが、女の子らしい小さな悲鳴を上げて身を竦める。


「おっほ〜、かなり近いな! ってかレフィア、雷嫌いか? 女子って感じだよなぁ、いかにも!」

「う……うるさいわね! ちょっと苦手ってだけよっ。雷好きなんて、あんたの神経がどーかしてるわ……ひゃっ、また光った……?!」


「うわぁ、稲光も音も雨も、激しくなってきたね。僕も、ちょっと怖くなってきた……っ」

 自然とレフィアとアルクゥの距離が近くなり、寄り添うかのようになった。


「うおぉ! 何かおれ、居ても立ってもいられなくなってきた……! 外出よーっと!!」


「よ、よせ……! いくら今までお前に雷が落ちた事がないとはいえ、これからもそうとは限らないだろう、やめておくんだッ」


 そこでようやくイングズが口を開き、本当に外へ出て行こうとするルーネスの片腕を掴んで引き止める。……その手は、かなり力が込もっていた。


「何だよ、そんな強く掴まなくてもいいだろ? ……分かったよ、やめとくよ今回はっ」


「あぁもう……、雷好きなルーネスには付き合ってらんないわ! い、行きましょアルクゥ。雷治まるまで、一緒の部屋にいましょっ」


「え……!? あ、う……うん、いいよ」

 レフィアは、若干恥ずかし気なアルクゥを引き連れ先に宿代を払い、二人は宛がわれた部屋に行ってしまった。

「あの二人、いつからそんな仲なったんだ……? まぁいいや! おれ達も空いてる部屋に────」


 ビカッ、ズドガアァン……



[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ