暁 〜小説投稿サイト〜
東方魔法録〜Witches fell in love with him.
番外 御酒〜Beware of excessive drinking.
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それは紅魔館に引っ越し終わった日の夜。レミリアの計らいで俺とパチュリーの歓迎パーティーをしていた時の話。
美鈴は料理を配膳している最中に言った。

「そう言えば明希様とパチュリー様はお酒はどうされます?」
「え?お酒?」

お酒。俺とパチュリーには何かと飲む機会がなかった代物だ。
ついこの間、自分達で大学生を卒業したばかりの俺達はお酒を飲んでもいい年齢に達しているはずだ。

はず、と言うのも魔法使いには年齢を数えたり誕生日を祝ったりする習慣がないから自分の正確な年齢を覚えていないのだ。誕生日も然り。この世界に生まれ変わった時、始めはその事で驚いたけど慣れてしまった。

年齢がどうとかじゃなくてもレイレウ辺りが飲んでいそうだが、これまた不思議と誰も飲もうとしなかった。よく今までお酒に興味を持とうとしなかったよな俺達。

「ひょっとしてまだ飲んだことないんですか?」
「うん。実はそうなんだ」
「飲んでみたら?」

レミリアが自分のワインを見ながら提案した。

「今日はパーティーだし、お酒にはどの道慣れておいて損はないわ。慣れてしまえば自分から飲みたくなること間違いないわよ」

そうだよなぁ。それじゃちょっと試してみるか。前世では飲める年齢に達する前に死んじゃったし。

今さらながらお酒に対して興味が湧いた俺は飲んでみることにした。

「じゃあお願い。パチュリーは?」
「私もお願い」
「ではどんなお酒にしてみますか?ビール、ワイン、カクテルがありますが…」

うーん。俺はお酒に対する知識は殆どないからどうしようか迷う所。隣のパチュリーも見る限り同じように悩んでる。
するとレミリアが言った。

「初めてだからカクテルにしたら?飲みやすいわよ。そうね…」

レミリアは顔をニヤリとさせ何か思い付いた表情をした。…何だか嫌な予感が…

「ブラッディマリーなんてどうかしら?」
「ちょ、お嬢様!?」

ブラッディマリーというカクテルの名前をレミリアが言ったら美鈴が慌て始めた。お酒に詳しくない俺にはどんなお酒なのかは全く判らないが、美鈴の反応が俺とパチュリーが怪しいと思わせるのに十分だった。

「いいから、それにしなさい。明希もパチェも騙されて飲んでみなさいな」
「はぁ、お嬢様がそうおっしゃるのなら」

美鈴は一旦厨房に戻りそのブラッディマリーとか言う怪しいカクテルを準備しに行った。

………………………………………
……………………………………
…………………………………

「さて、料理も揃ったところで乾杯しましょ。…明希とパチュリーの引っ越しと初の飲酒に、乾杯」
「「「乾杯」」」

赤い液体の入ったグラスを持って乾杯した。そして少し躊躇しながらも赤い液体…ブラッディマリ
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