十話
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ちらの武威を示す為にも早く落したほうがいいわ」
「新参の配下の為にこちらの強さを見せるにも早期の決着が望ましいかと」
それらの会話を聞いてリウイは一つの疑問を持った。
「…内応者の名簿の中にまだ、こちらに加わっていない者が何人かいるな。もしかしたら城内にいるのか」
「おそらく、そうでしょう。こちらの進軍が早すぎたのも原因かと」
「そいつらに城門を空けさせられないか」
「妙案ですね、では、矢文を使ってこちらに加わるようにさせましょう」
「そうなれば城内の者達は疑心を持ち始める、そこに付け入る」
董卓軍は矢文を城内に放ち、馬騰軍を混乱させた。
そして、馬騰はこれ以上の戦いは不可能と見て、董卓に降伏した。
「馬騰をどうするかだが、君はどう思う」
「私は生きてこの西涼を治めて欲しいと思います。あの方はこの土地に必要な方です。それに馬騰さんが死んだら胡の押さえが無くなります」
「そうだな。では、その様に相手を迎えよう」
「はい」
そうして一人の女性と二人の少女が月の天蓋に入ってきた。
「お初にお目にかかります。西涼の馬騰。後ろは馬超、馬岱の二人だ。このような待遇を受ける事困惑している。私達は敗軍の身だ。それ相応の処遇を受けて当然だ。どうかその様に」
「いえ、わたしは貴女に頼みがあるのです。勝手ですがこのまま話をさせてください」
「頼み。これほどの辱めを受けてですか」
「はい。じつを言えば、その為にわたしは軍を動かしたのです」
「…いいでしょう。その頼みとやらを聞きましょう」
そう言って馬騰は身を正した。
「その前に馬騰さんはこの大陸の現状をどう見ますか」
「…漢王朝はもう、あって無きようなもの。今のように諸侯同士の小競り合いを止める事も出来ない、このままでは世は荒れるだろう。それを統べる者が必要だ」
「わたしがその世を統べる者に為ろうと思うのです。その為に貴女の力が必要なのです」
「貴女が…私の力が必要だと…」
「はい。わたしは并州と涼州を足ががりに天下を統べるつもりです。その為に貴女が涼州を纏めて頂きたいのです」
「なぜ、私の力が必要なのだ。このように無残に負けた身だぞ」
「貴女は胡の押さえとして必要な方です。外患は一つでも減らしたいのです、その為にわたしの仲間になってください」
月の言葉を聞き、馬騰はしばらく沈黙した。そして、月を見据えた
「多くの者が死んでいく。悪名を帯びるだろう、貴女を非難する者が後を絶たずに出てくる。それでも天下を統べる気か」
「はい。覚悟しています。どれだけの悪名を着ようとも成し遂げるつもりです」
その言葉を聞き、馬騰は月に近付き、懐の短剣を抜き、月に刃を突きつけた。
その行動に月、リウイ以外が驚いた。しかし、リウイが配下を手で押さえた為、動けなかった
「その言葉
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