十話
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曹操の首級を挙げた月は、連合から離脱し、并州に帰った。
董卓軍が去った後、連合は虎牢関を抜け、洛陽に上洛した。月とリウイはその報告をパイモンから聞き、ため息をついた。
「連合の参加者の狼藉が深刻だな、連中、自分の評判を落す為に上洛した様なものだな。早々に帰還して正解だな」
「そうですね。その中で気になった一団もあるのですが」
「なんだ」
「劉備という者と、リウイ様の知っている孫策の軍だけは狼藉に参加していない様子です。特に、劉備の場所では市民に対して炊き出しをしております」
「孫策か…、彼女は袁術に付属しているはずだが、あの顔つきならいずれ独立するだろう。その事を弁えての行動だろう」
「そうでしょうね」
「劉備とは一体何者だ」
「平原に小さな領地を持つ少数の軍です」
「そこはそんなに豊かなのか」
「いえ、人口も少なく。産業も乏しい領地です」
「…何を考えて参加したのやら。まあいい、今後、その二人に監視の鴉を常に置いておけ」
「了解しました」
「袁紹、袁術の軍はどういった状況だ」
「曹操軍によって壊滅的な被害を受けており、それにともなって、離反していく諸侯がいる様です」
「では。しばらく連中は仕掛けられないな、こちらはその間に本格的に涼州を手中に収めるとするか」
その言葉を聞き月はリウイに問いかけた
「涼州ですか…。東側はこちらに靡いて来ていますが、西側は馬騰さんの勢力圏で、こちらを警戒しているんですが」
「兵威を見せつけ、降伏を促す。今ならどの勢力も動けんだろう、これを機に西方の憂いを無くしておこう」
「もし、降伏してこなかったらどうするのですか」
「その時は、内応者を出して馬騰を孤立させる」
「既に、幾人かは馬騰の傘下の者達がこちらに味方すると確約しています。後は、貴女しだいです」
「今ならまだ引き返せる。君がこの大陸を支配する最初の戦いだ、ここから先はもう後に引けない。どうする」
月はしばらく俯いて考えた後、決意を込めた目でリウイを見た。
「涼州に軍を進めます。馬騰さんに文を送って下さい。お兄様。私は私の手でこの大陸を平和にしてみせます」
その言葉にリウイは僅かに微笑み、月の期待に答える事を決めた。
それから三日後、董卓軍は涼州に進軍した。
既に、董卓の名声は伝わっており、各地の馬騰傘下の諸将は董卓軍に加わった。
一方で馬騰は董卓の進軍に対して、全て後手に回り、兵を募ったが董卓軍を恐れ、思うように集まらなかった。
董卓軍は更に進軍し、遂に無血の行軍で馬騰の居城を包囲した。
董卓軍本営
「城内の様子はどう?」
「兵の士気は高いとはいえないのです。ですが、力攻めはこちらの損害が多くでるのです」
「そう、でも後々の為にも早くした方がいいとおもうわ」
「そうね、こ
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