十四話 初影
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を上げる。
腰が抜けたのだろうか、尻餅をついた状態で、女はズリズリと座り込んだ体制のまま後ろへと下がる。
その女の目の前には、俺の前にいるスライムのようなシャドウと同じようなシャドウがいる。
「っ!」
流石に見過ごせない。
しかし、今の自分に戦うことができるのだろうか。
(どうしたら・・・っ!)
ふと探っていたポケットの中にと尖ったものを見つけた。
どうやら携帯のキーホルダーのようだ。
そのキーホルダーを携帯から引きちぎり、ポケットから出す。
今はどんなものでも武器になるのなら歓迎だ。
(頼りねぇな!これ!)
出したキーホルダーは三角の形をした、数学教師がもっていそうな三角定規の縮小版だった。
別に自分の趣味というわけではないのだが、毎回毎回数学の教師の間違いを意地悪く指摘していたら、何故か気に入られてしまったらしく、こんなものをもらった。
せっかくもらったものなので、携帯につけていたわけだ。
それは、一辺が3cm、7cm、7cmの二等辺三角形のものだった。
キーホルダーにしては大きく、ステンレスかそこらの金属で出来ているため、それなりにつっついたりすれば痛いだろうが。
シャドウのような化物と戦うにはあまりにも心もとない。
こんなときこそまさに、
(・・・勇気だ!勇気!勇気カモン!)
内心そう叫ばずにはいられなかった。
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