参:攻略
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セリシールが休憩するにはうってつけのところだった。
どうも、人がいる状況では落ち着けない、それがたとえ一番信頼のできる風林火山のメンバーであっても。というよりも、あの人たちは過保護に扱ってくるため、うざったいと感じてしまう時も。それもまた、セリシールが独りの時には気づくことのなかった感情だが。
納刀された太刀を抱きかかえ、壁にもたれかかって目を瞑り心を落ち着かせる。これ以上先は今までよりさらに難易度が上がる、余分なことを考えていたのでは敵に隙を見せてしまう。
と、
「うわぁぁぁぁああああっっ!!!」
「きゃぁぁぁぁああああッッ!!」
「ふひゃぁっ……ッ!?」
瞑想している中、ものすごい悲鳴とスピードで安全地帯へ一組の男女が入ってきた。もちろんその悲鳴はセリシールの耳にもダイレクトに届いていた。
「……はぁ……はぁ……なんだったんだ、あいつ……」
「ものすごく怖かったよ……それにしても走ったねぇー」
「だな。……ん、セリシールいたの…か?」
「どうしたのキリト君?……せ、セリー?」
夫婦が雑談している中、当のセリシールはあまりの二人の声の大きさにその場を動けず、背筋を仰け反らせ涙目で座っていた。
「……あ、アス……ナ?……それに、キリトも……」
「せ、セリー!?どうしたの、そんな泣きそうな声で……」
「…………」
すべてお前たち二人の仕業だろうが、といいたげな目線で二人ーー主にキリトーーをキッと睨む。
「「……ごめんなさい」」
「……別に、いいです。……それで、なにが?」
涙を袖でゴシゴシと拭いて本題へと。
「……悪魔、ですか」
セリシールの言葉に2人がうなづく。どうやら2人の話によると、ボスの部屋前までの攻略が完了し、偵察も兼ねて転移結晶片手に部屋への侵入を試みたらしい。
そしてそこにいたのが
「うん。……悪魔っていうのは私たちが見た感想なんだけど……ともかく2足歩行の人型なのは間違かった」
「……武装は確認できましたか?」
「あぁ、両手剣一本しかだけどな。……ただ」
キリトの言いたいことは大体予想がつく。いくら人型だといってもボスの能力がそれだけのわけがないのは今までのボス攻略で嫌という程身に沁みてわかっている。今回のその悪魔とやらにも他に何か攻撃手段が存在するのだろう。
「……人型、ですか」
「山羊頭のな。普通のより視界は広いだろうし、武器のせいで単純に物理攻撃力が半端なく高い……と思う」
「前衛はタンクの人たちに頑張ってもらってスイッチの繰り返しになりそうだね」
「盾装備が10人くらいか……そこは血盟騎士団さんと聖龍連合に頼むとして……少しずつちょっかい出して攻略してく、しかないか」
と、ここで一つ気
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