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ソードアート・オンライン《風林火山の女侍》
参:攻略
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てないためアウト、キリトは男なので論外。どうしようかと悩んでいるうちに例の光点はどんどん迫ってきており、もうすぐ可視範囲に入る。

「……ちょっと失礼」
「へ?……ひゃっ」
「……」

 突然キリトがそのコートの前を開くと右隣にうずくまるアスナの体を包み込んだ。声を上げかけるのをセリシールが無言で思い切り口を押さえることで阻止する。どういう意図でキリトがこんな行動を起こしたのかは大体予想できているので何の反応も無しに「無駄口叩かないでください」と一声、二人を黙らせ来る集団を監視する。

 しばらくと待たずに曲がりくねった道から集団が姿を現した。黒い黒鉄色の金属鎧に濃緑の戦闘服で全員が剣士クラスだと確認できた。すべて実用的に見えるが前方の数人が持っている盾には大きな城の紋章が施されている。その盾を持っているプレイヤーは腰にある片手剣が見え、目を凝らすと奥の残りの者たちは大きなハルバードを持っていた。まるでNPCのような列を乱さない行進にセリシールは……というより他の2人も見覚えがあった。

「………《軍》」
「あぁ……でもなんで……」

 キリトが小さく疑問を呟くとそれに答えるようにアスナが口を開く。

「あの噂、本当だったんだ」
「噂?どんなのだ?」
「うん、ギルドの定例会で聞いたんだけど《軍》が方針変更して上層エリアに出てくるらしいって」
「……前線に出ないことで内部で不満がでてるらしいから最前線に精鋭部隊を送ってクリアの意志を見せる……でしたっけ?」
「セリーの言うとおり。……それで、そろそろ第一陣が現れるだろうって報告だったんだけど」
「実際プロパガンダなのか。でも、いきなり未踏破層に来て大丈夫なのか?レベルもそこそこはあったようには見えたけど」

 確かにこんなところにあんな少人数で送ってくると言うことは全員が層階数+10のマージンは超えているだろうと信じたい。もしかしたら、とアスナが出したのは「ボスを倒しに行くんじゃないか?」と言う意見だった。だがまだ誰も見たことのないボスを初見で、というのはよほどのことが無い限り無理だろう。実際、ボス戦というのは偵察部隊がボスの戦力、傾向を調査してからその情報を元に会議、作戦を決め手から巨大なパーティを作って攻略するものだ。

「ボス攻略は皆で協力するもんね。あの人たちもそうするのかな…」
「……微妙だと思います。そこまで無謀だとは思いたくないのですが結果を出すために急いでるのなら……」
「…………よし。俺たちも急ごうぜ。中でかち合わせなきゃいいけど」

 キリトの言葉に二人は頷きその場から立ち上がる。なぜか後で買い物をするという約束を取り付けてからアスナは下へと飛び降りる。キリトもそれに習い余裕で飛び降りた。パラメータ補正のおかげで無いも当然な高さなのでセ
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