第七十五話 大雪の後でその四
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「国際色豊かで賑やかそうだから」
「大学もあってな」
「商業科にしようかとも思ったけれど」
「普通科にしたんだな」
「こっちの方がいいかなって思って」
どういいかということもだ、琴乃は話した。
「別に商業科で何か技能身に着けようとも思ってなかったから」
「商業科はね、あそこはね」
彩夏がその商業科のことを話した。五人は今は渡り廊下から校舎の中に入っていた。その中での話である。
「技能はともかくとしてね」
「何かあるの?」
「女の子にとってはサバイバルな場所よ」
「サバイバルって?」
「だから。男の子の方が少ないでしょ」
「あっ、そういうことね」
琴乃は彩夏の今の言葉からすぐに察してわかったといった顔で言った。
「彼氏ね」
「男の子にとってはまさに選り取りみどりだけれど」
「女の子は選ばれる方よね」
「少ない獲物を取り合いになるのよ」
「だからサバイバルなのね」
男子にとってはそれこそ興味がないか相当あれな人間でない限り彼女が出来る。しかし女子の場合はなのだ。
「女の子にとっては」
「修羅場になるから」
「ううん、じゃあそういうことに興味が入って商業科に入ったら」
「修羅の国だから」
あの伝説的世紀末漫画の話である、核戦争後にああしてモヒカンの男達がバイクで走り回るアナーキーな世界になるかどうかはわからないが。
「本当にね」
「千人に一人とか?」
「流石にそこまではいかないけれど」
「それでもなのね」
「そう、商業科はね」
女子にとっては、というのだ。
「かなり厳しい場所よ」
「じゃあ普通科で」
「まあ琴乃ちゃんそういうことに興味は」
「あまりね」
歩きながら首を少し傾げさせてだ、琴乃は彩夏に答えた。
「今のところはね」
「そうでしょ、だったら商業科でもいいけれどね」
「興味があったらなのね」
「修羅場になるから」
「相当気合入れて彼氏手に入れないとなのね」
「厳しい場所よ、私商業科の方に友達何人かいるけれど」
その娘達からの話だというのだ、女の子同士のネットワークはかなり深く確かなものがある。
「その娘達がよく言ってるの」
「商業科のことを」
「そうなの、だから残った娘はね」
「どうしてるの?そうした娘は」
「外で彼氏探すのよ、合コンとかして」
「外っていうと」
「普通科とか工業科とかね」
八条学園には工業科もある、農業科や水産科、そして看護科もだ。
「そうしたところの男の子と合コンして彼氏ゲットするの」
「そういえばうちのクラスの男の子達も」
琴乃も言われて思い出した、自分のクラスの男子達のことをだ。
「色々合コンしてるわ」
「そうでしょ、それでね」
「商業科の娘達ともなのね」
「合コンしてなのよ、スタープラチナとかで」
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