暁 〜小説投稿サイト〜
東方魔法録〜Witches fell in love with him.
30 面子〜On the other hand , in Scarlet Devil Mansion.
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める」

とある何処かの部屋。そこでは軍服を纏った人狼達の姿があった。そこにいる全員の服には名誉のあるバッチやワッペンをところ狭しと飾り付けており、この人狼達の優秀さや勇敢さを物語っている。
そんな人狼達が円卓の席につき、憎き己が宿敵である吸血鬼について会議を始めていた。

「こやつはつい数十年前に現れたのにも拘わらず既に数百もの同胞がこいつの手により戦死してしまった…!」

その人狼の声は悔しさと、散っていった同胞への無念を代弁するかのように憤り声を震わせていた。
レミリアからしてみれば、勝手に襲ってくる火の粉を振り払っているだけなのだが塵も積もればなんとやら。そんな理由では済まない事態に達していた。全く、迷惑甚だしい。

「中にはチンピラや誇りを忘れたクズ供も数には含まれているが、それでも!彼らとて我らと同じ人狼だ。吸血鬼にやられたまま黙って見過ごす訳にはいかない」

その場にいる人狼全員がこの発言に大いに納得し、同意していた。中には吸血鬼への怒りで顔を歪ませ、強く握りこぶしを作っているものまでいる。

人狼は狼であるからこそ集団で行動し、独自の社会を作り上げる。彼らが大事にするものは誇り、名誉、仲間、そしてメンツ。例え、誇りや名誉を忘れて人狼社会を追放された者であっても、吸血鬼にやられっぱなしでは示しがつかないし、メンツが丸つぶれだ。こうなっては他の種族に舐められてしまう。

「議論の人物はレミリア・スカーレットだけではない。その従者、紅美鈴に眷属である明希・ヘルフィ・水原、魔法使いのパチュリー・ノーレッジ、使い魔の小悪魔。いずれもかなりの実力者だ」

正確には明希は眷属ではないし、妹のフランドール・スカーレットの名が無いのだが、そのことで紅魔館について情報を集めた者を責めることは出来ない。むしろ名前がわかっただけでも誉めるべきである。
紅魔館に足を踏み入れて生きて帰ってきた人狼はいないからだ。そのため人狼は紅魔館の内部を知らないし、地下に幽閉されているフランの存在を誰が知り得ようか。

明希が眷属でないことは、ズワイガニとタラバガニ程度の違いなのでたいして気にはしなくていいが、妹のフランドール・スカーレットの情報を掴めなかったのは痛いと言えるだろう。何故なら単純な破壊力だけなら彼女が一番なのだから。
実力者の中に小悪魔が入っているのは彼らが全員の戦闘力を把握出来ていないが故の勘違いでもあるが…あまり言わないでおこう。小悪魔がいじけてしまう。

「だが、泣き言を言っている暇はない。このままでは人狼のメンツは丸つぶれだ。そこで我々は……紅魔館へ宣戦布告を行う!!」

そうだ!我々の力を思い知らせてやる!そんな声が飛び交った。

「静粛に!……全面戦争するにあたってやつらに正面から挑むのは自殺行為だ。
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