名探偵ヤン艦長の推理 人形師のお宝を探せ その四
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で眺めていた。
もちろん、しかけたのはヤンである。
「艦長。
本当にえげつないことしますね」
パトリチェフ副長の苦笑に賞賛が入っているのは、これで自分達が助かるからに他ならない。
惑星アルジェナは帝国軍から見て、同盟軍集結地点の後方に位置している。
同盟軍を撃破して、惑星アルジェナを襲撃したら増援の同盟軍が到着する。
人形師の財宝発見を暴露した結果、同盟軍は絶対にこのマスターコンピューター確保に走らねばならず、既に艦隊規模の増援を決定している。
現在惑星アルジェナにいる同盟軍を排除した上で、最低で四倍の敵と当たるなんて事をミューゼル提督はしないだろう。
ヤンのした事は、優位にある帝国軍に対して選択肢を増やす事で、彼らの行動リソースを奪ったのである。
そして、財宝発見を暴露することで、同盟軍の集結地点は惑星アルジェナに変更されて帝国軍との交戦を回避してみせる。
ミューゼル提督は海賊達からある程度の情報を得る事ができ、彼の戦略目標は達成されている。
ならば、これ以上の無理はする必要はない。
「けど、ミューゼル提督はそれで満足するのでしょうか?」
アルテナ航海長が疑問の声をあげる。
要は、帝国軍の満足する戦果かどうかが確認できないので、まだ死地にいるかもという疑念を捨てられないという事だろう。
その疑念にヤンは淡々とモニターを眺める事で答える。
「マーキュリー資源開発の警備兵との衝突は負傷者まで出る大規模な暴動レベルにまで発展しています。
まるで、財宝をマーキュリー資源開発が隠し持っていたかの如く!
なぜ、マーキュリー資源開発は沈黙を貫いているのでしょうか?
おや?
同盟軍ローゼンリッター連隊第三大隊の隊長さんが我々を手招きしていますね。
あそこに財宝があるのでしょうか!
長らく見つからなかった財宝がついに我々の目の前に現れようとしています!
カメラもそこに向かってみましょう!」
なお、このノリノリな女性レポーターはシェーンコップ少佐と夜を共にする程度には親しい関係らしい。
彼女もこの一件を経て、憧れだった報道局の花形アナウンサーに転身する。
「視聴率60%。
まだまだあがります」
緑髪の副官が息を飲みながら、3DTVのシェーンコップ少佐を見つめる。
「おたから。おたからー」
実にわざとらしいコミカルな仕草で資源プラント最深部に足を踏み込んだその時。
画面に移っていたのは制圧された時に出た死体であり、おもわずレポーターが声を出して口を抑える。
「なんだ?
これは?
まるでかがくぷらんとみたいではないかー!」
実にわざとらしい声でシェーンコップ少佐がプラントの製造品の所に行く。
麻薬検
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