名探偵ヤン艦長の推理 人形師のお宝を探せ その四
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に他ならない。
距離と出力によって導き出される時間は遅れる事はあっても早まる事はない。
つまり……
「詰みましたな」
あっけらかんとパトリチェフ副長が現状を言ってのける。
顔が笑顔なのは、笑わないとやってられないからだろう。きっと。
ヤンは船長の机にあぐらをかいたまま瞬きすらせずに一心不乱に考え続ける。
人間追い込まれるとやる気が出るもので、ヤンは己の人生におけるやる気を総動員してこのチェックをかわそうとしていたのである。
ヤンの沈黙に緑髪の副官および、戦艦セントルシアの実体化AIが気づき、付き合いの長いラップ主計長、アッテンボロー戦術長、パトリチェフ副長、アルテナ航海長、シェーンコップ少佐の順にヤンの沈黙に気づく。
で、シェーンコップ少佐がヤンを眺めた時、意を決したヤンはこんな事を言い出したのである。
「シェーンコップ『中佐』。
英雄になってみませんか?」
と。
「こんばんは。
ハイネセン標準時間19時。
同盟中央放送ヘッドラインニュースです。
まずは、スクープです。
長らく探し続けられていた財宝がシヴァ星系惑星アルジェナで発見されました。
現場の記者のリアルタイムレポートです」
「はい!
こちらは、惑星アルジェナ中央港です。
現在、同盟軍ローゼンリッター連隊第三大隊が、マーキュリー資源開発の警備員と押し問答をしながら財宝の確保に向かっています!
元々シヴァ星系では現在、海賊に対する強制捜査が行われており、その過程でかの財宝のありかが判明したそうです。
財宝については、同盟軍第九艦隊第四分艦隊所属戦艦セントルシア実体化AIに話を聞いています。どうぞ」
「はい。
元評議会議長の個人所有のマスターコンピューターが財宝と称されているのはご存知かと思いますが、その場所についてはネットワーク内に秘蔵されており、パスワードが必要でした。
今回、海賊への強制捜査の過程でそのパスワードが解かれ、惑星アルジェナにマスターコンピューターがある事を公開する事ができたのです」
「現在、シヴァ星系では海賊に対する強制捜査だけでなく、この財宝を狙った帝国軍も外辺部にやってきており予断を許しません。
第九艦隊司令部はシヴァ星系に増援を派遣。
更にイゼルローン方面軍司令部も艦隊規模の増援を派遣する事を発表しました。
一方、惑星アルジェナにて資源開発をしていたマーキュリー資源開発はこの発表に対して沈黙を続け、何の発表もしていません。
その為、映像で見せたとおり同盟軍ローゼンリッター連隊第三大隊が、マーキュリー資源開発の警備員と押し問答をしながらマスターコンピューターの確保に向かっている所です」
この中継をヤン達は惑星アルジェナ近く
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