救世主
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ョン》!」
上空から降る、聖なる剣。
が、セスは特に慌てる様子を見せない。
それどころか、避ける仕草も、魔法で防ぐ仕草も見せない。
「アイツ、一体何を・・・」
相手の不審な行動に、思わずヴィーテルシアが眉を顰めた。
―――――――その時、だった。
「土星の盾」
土の盾が、セスを守った。
剣はいとも簡単に受け止められ、消える。
「アルカ!?いや、違う。これは・・・太古の魔法か!」
一瞬、土系の魔法を操るアルカを思い浮かべたが、アルカにセスを守る理由はない。
それに、アルカの魔法なら最初に『大地』とつくはずだ。
それに合わせて漂う普通とは違う魔力・・・失われた魔法を使うヴィーテルシアは過敏に反応した。
「セスさん、私がいるのに気づいているからと言って無防備になるのはやめて頂きたいのですが」
「ごめんなさいデス。でも貴女ならきっと守ってくれると思ったデス」
響く、ブーツの音。
しゃらり、と軽やかな音も聞こえる。
1人の少女が、暗闇から姿を現した。
現れた姿に、ヴィーテルシアは目を見開く。
「ルナ・コスモス―――――――――……!?」
栗色の髪を左耳の横でお団子に結え、紫のリボンで飾り、銀色のストーンが散りばめられた紫のチュニックと七分丈のデニムを纏う少女。
先ほど聞こえた軽やかな音は、彼女が付ける星のネックレスの音だろう。
彼女の名はルナ・コスモス。
災厄の道化の魔導士だ。
「え?・・・ああ、貴方ですか。リーシェ」
「その名で呼ぶな。今の私はヴィーテルシアだ」
「随分と長ったらしい・・・女っぽいですが、リーシェの方が短くて呼びやすいですけれど。それにリーシェは貴方の本名でしょう?」
「過去の話だ。今の私はヴィーテルシアであり、それ以外の名ではない」
夕日色の瞳が、ルナを睨む。
対するルナの瞳も冷たくなる。
・・・唯一この状況から外されているセスは、ルナに声を掛けた。
「知り合いですかデス?」
「ええ、まあ。彼女・・・いえ、彼がフリーの魔導士として活動していた時に、少し」
そう言って、ヴィーテルシアに目を向ける。
ヴィーテルシアは、文字通りボロボロだった。
傷だらけで、体力も魔力も既に限界。ワンピースはズタズタで、金髪は乱れ、所々で長さが違う。
その瞳に宿る闘志だけは、戦う前と変わっていない。
「もう諦めたらどうですか?私だって知り合いを殺したくはないんですよ。解るでしょう?」
「解せないな」
ルナの言葉を、ヴィーテルシ
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