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第四十話 騒がしき日々
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めんごめん。ステルス切り忘れてたよ。え〜と、ほいっ」
気の抜けた声とともに、突如として僕の目の前に束さんが現れた。いや、その言い方は正確じゃないかもしれない。彼女の言うことを信じるなら、ずっとそこにいた上で姿が見えなかったんだろう。
「てへ、新開発のステルススーツの実験がてら、驚かそうと思って。どう? どう? 驚いた?」
なんて非常識な……というか僕と千冬さんに気配すら悟らせないとかどれだけ高性能なんだ……。
「ところで、しーちゃん。束さんとしては吝かじゃないんだけど、まだお昼だよ?」
「……へ?」
ちょっと顔を赤らめた束さんが、視線を落としながらそう切り出した。何のことかとその視線を追うと、そこには束さんの豊満な胸を鷲づかみにしている僕の手があった。
「わぁ! ごごご、ごめんなさい!」
あ、あの柔らかい感触は束さんの胸だったのか……!?
「別にいいよ〜、でも続きは夜にね」
いや、夜ならいいって訳でもないと思うけど!?
「あれ? ちーちゃん? せっかくの感動の再会だと思ったんだけどずっと黙ってどうしたの……って、なんでちーちゃんは無言で束さんの頭を掴んでいるのかな? あれ? ちーちゃん? いたたたっ!?」
「お前という奴は、そうやっていつもいつも人を振り回しおって! お前の行動に関しては何を言っても聞かんのは理解しているが、せめて来るなら来るで事前に連絡の一つぐらいできんのか! そもそも教師の前で不純異性交遊か? お前から昼がだめだとか比較的常識的な言葉が出たことは驚きだが、そもそもがおかしいだろう!」
「いたっ、ちーちゃん、何怒ってるの!? 私としーちゃんが仲いいから? もう、ちーちゃんもいい加減彼氏の一人くらいあいたたた! 出る、なんか飛び出ちゃう!?」
なんだろう、この状況……。
結局、二人が落ち着いて話ができる状態になったのはそれから10分ほど経ってからだった。
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