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第四十話 騒がしき日々
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なくなった」
「デュノアさん?」
「……さすがに一夏と同室にする訳にはいかんだろう。寮ならともかくこういう場では気が大きくなって間違いが起きないとも限らん。だからお前用の部屋をデュノアへとまわした。一夏とデュノアは教員用のエリアにそれぞれ個室を割り当てている。一般生徒の部屋の近くだとどうなるか目に見えているからな」
なるほど。ならそれも仕方ない……のかな? いや、それなら織斑君と千冬さんが同室になればいいんじゃ。
「わざわざ一夏を私と同室にして、お前を個室にする理由が弱くてな。一応今回お前は臨海学校の間は教員の手伝いをするという名目になっている。そのためには教員と同室のほうがいいだろう、とそういうことにした。まぁ、それなら本来4組の担任であるミュラー先生と同室になるのが筋だろうが、それだとお前の貞操が危ないと言ったら全員納得した」
なるほど……って、ミュラー先生どういうことですか。たまに変な目で見られている気はしていたけど実は僕の貞操の危機だったの!?
「はぁ……とりあえずありがとう? でいいのかな。でも僕と同室でよかったの? 一応僕も……ねぇ」
「くく、お前が私をどうこうできるとでも? まぁ、本当に私を組み伏せられたら好きにして構わんぞ?」
「な……! もう、からかわないでよ!」
「ふ、どちらにしろこの部屋にいるときは多少気楽にいろ。いくら慣れたとはいえ寮では気も休まらんだろう」
千冬さんなりに気を遣ってくれたのかな。
なんか男扱いされていないのが気になるけど。いや、最近僕自身ですら自分のことを男扱いできなくなってきているんだけどね……。
それが嬉しくも、先ほどの発言もあり気恥ずかしくなった僕は千冬さんから視線を外した……ところで部屋に違和感があることに気付いた。
「……どうした?」
僕の様子に訝しげに声をかけてくる千冬さん。それには答えず、僕は必死にその違和感の正体を探る。
それでも、明確な回答は得られない。僕はただ自分の勘に従って虚空へと手を伸ばし……たところで何か柔らかいものが手に当たった。
「あんっ」
「!?」
「誰だ!」
いきなり、女性の声のようなものが室内に響き渡る。
すぐに僕と千冬さんが警戒する。僕らにとって致命的な単語は避けつつ会話していたとはいえ、聞かれてはまずいことに違いはない。思わず、手に力が入る……いまだ触れている柔らかいものを掴みながら。
「あぅ、しーちゃん久しぶりに会ったと思ったら積極的だね……」
この声は……というか僕をこう呼ぶってことは。
「束さん!?」
「はろはろ〜、お久しぶりだね。ちーちゃんも!」
「た、束か?」
姿は見えない。けれど、その声は確実に僕の正面から聞こえてくる。
「あ、ご
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