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第四十話 騒がしき日々
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もあれ、一時はどうなるかと思ったけれどようやく一段落……そう思った矢先。
「お姉様!」
今度はなに……! そう思って声の方を見ると、何故か少し俯いてプルプル震えているオルコットさんがいた。
「オ、オルコットさん?」
「なぜ……なぜわたくしはファーストネームで呼んで下さらないのですか!? わたくしは……わたくしはまだお姉様に認めていただけてはいないということですか!?」
あぁもう、なんかいろいろと面倒になってきたよ! っていうか、何でここにいるんだろう。しかもこの様子じゃラウラさんとの会話を確実に聞いていたよね、この子!? もしかして、いつも僕の後ろをこっそりついてきていたりしないよね?
「い、いえ。そんなことはないのですが呼び方を変える機会がなく……」
「でしたら、今がその機会です! さぁ、セシリアとお呼び下さい!」
よくわからないけど興奮しすぎだよ……ちょっと心配になる。大丈夫なのだろうか、この子は。
「で、でしたら私のことも名前で呼んでいただきたいのですが」
「そんな、お姉様のお名前を直接お呼びするなんて恐れ多いですわ!」
えー。彼女の中で僕ってどんな存在になっているんだろう。聞きたいけどちょっと怖くて聞けない。
「はぁ……わかりました。セシリアさん。私の呼び方はそのまま構いませんよ……」
正直、どうでもよくなってきた。というか、今まで悩んでいたのが馬鹿らしくなってきたというか。僕は余計なことに気を使って自分で壁を作っていたのかな。
「まて、それならやはり私も紫音お姉様と……」
「……紫音お姉ちゃん?」
いやちょっと!? ラウラさんはさっき渋々とはいえ一応は納得したんじゃなかったの!? それになんで簪さんまで便乗して……しかもちょっと嬉しそうなの? その笑顔で楯無さんにお姉ちゃんって言ってあげればすぐ仲直りできるよ!
あぁもう、千冬さん助けて……っていないし!? 僕に押し付けて逃げたな!
その後、なんとかラウラさんと簪さんをなんとか説得して名前で呼んでもらうに留まった。セシリアさんはまぁ、無理だったけど。
そういえば、織斑君は授業の中で行われた模擬戦でラウラさんにボロボロにされたらしい。なんでも私の弟になるからには、とかどうとか……僕のせいじゃないよね?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「う・み・だー!」
トンネルを抜け、車窓に綺麗な海が見えるようになると周りのクラスメイトのテンションが一気に振り切れた。気持ちは分かる……僕もガラにもなくちょっと気持ちが弾んできた。もっとも、水着のことを考えるとすぐにそれも萎えるんだけど。
ふと隣の席を見ると、簪さんもチラチラ窓の外に目をやっている。心なしかソワソ
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