遭遇-コンタクト-part1/メイドのピンチ
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「って、そんなことより、ちょっと訊きたいことがあるってだけだ」
「訊きたいこと?」
「一体どこをほっつき歩いてるのかしら?」
サイトが戻ってこないことを気にし始めたルイズはサイトを探していた。廊下をきょろきょろと見渡しても、彼がよく立ち寄ると聞く厨房にも姿がない。もうじき夕食の時間だと言うのに。
「あら、ルイズじゃない。サイトは一緒じゃないの?」
そこへキュルケが、押し車に食事を乗せてやってきた。
「そのご飯はなんなの?」
「ダーリンったら、わびしい料理ばかり食べてるみたいだからね。せっかくだから余分に作らせてもらったのよ」
つまり自分以外にサイトの分の食事を用意してくれたということだ。だがルイズからすれば、キュルケが彼の気を引くために餌付けしようとしているようにしか思えない。
「人の使い魔に勝手に餌をやらないで」
「あげようにもいないじゃない。一体どこに行ったのかしら?」
キュルケもサイトの姿を見てはいなかったようだ。
「もしかしてルイズの下が嫌になって出て行っちゃったのかしらね」
「どう言う意味よ!」
ルイズが文句を言うと、ギーシュが二人の話を偶然聞きつけ、サイトの所在を言った。
「ああ、彼ならさっき僕に、モット伯爵の屋敷の道のりを尋ねてきたよ」
「なんですって!?」
もうこの時点ではっきりした。彼はすでにモット伯爵の元へ単身シエスタを取り戻すために外出したのだと。
「しかしまずいんじゃないかな?最近、モット伯爵へ見初められた人が連絡さえも寄越さず帰ってこないままだって言う話を聞くぞ」
拍車をかけてきたギーシュ。もうこれはご主人様として見過ごすことはできない。無理やりにでも彼を連れて帰られなくては。
「行かないと!」
「お待ちなさいヴァリエール」
サイトを追って行こうとしたルイズだが、キュルケが突然止めてくる。
「どうして止めるのよ?」
「あなた一人じゃ何もできないでしょ?私も行くわ」
「あんたの手は借りないわ。別に一人で十分よ」
「本当に?あなたの家は確かに伯爵よりも上だけど、そのために実家の名を使うのはご家族に迷惑がかかるんじゃなくて」
「う…」
それは自分がサイトにも言ったこと。ルイズは押し黙る。
「ま、ちょっとお待ちなさいな。一つ大事なものと、タバサも呼んでくるから校門で待ってなさいな」
そう言ってキュルケはいったん寮へ戻って行った。
タバサを呼ぶ理由はわかる。彼女の使い魔シルフィードの手を借りると言うことだ。あの竜の速度は幼生ながらも馬より圧倒的に速いし、自分たちを乗せて飛ぶだけの巨体である。
だが、『大事なもの』とはなんだ?何か伯爵に者でも売り込もうと言うのだろうか?
その頃…。デルフを携えたサイトはモット伯爵の屋敷前に
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