暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
遭遇-コンタクト-part1/メイドのピンチ
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 その夜のルイズの部屋。ルイズは櫛でウェーブのかかった桃色の髪をとかしていた。長くて綺麗な髪だ。これを維持し続けるには念入りな手入れが必要なので念入りにやっている。
「モット伯爵は王宮勅使の方よ。私は偉ぶってるし好色で女癖は悪いって話をよく聞くから好きじゃないけど」
 彼女が髪を整えている間、サイトはルイズに、シエスタを自分の屋敷に雇ったモット伯爵とはどんな男が尋ねると、ルイズからのコメントは、伯爵に対してあまり好印象を抱いていないものだった。
「けど、どうしてシエスタが…」
 サイトは未だ納得できないと言った感じの様子だ。
「貴族が若い娘を名指しにってことは、妾になれってことだ。おめえそんなことも知らなかったのかい?」
 藁の寝床に置かれていたデルフが、鞘から顔を出してサイトに言う。
「妾って…愛人!?」
 シエスタを無理やり自分の屋敷に雇ったと聞いたあたりからそうだろうと思っていたが、…シエスタの体が目的なのか!そう思うとサイトは不快感を覚える。シエスタが自ら望んだと言うならまだしも、マルトーが言うには彼女自身は嫌がっていたというじゃないか。彼女の意思を無視していたということ。胸糞がまた悪くなった気がした。
「でも、生徒たちから他に変な噂も聞くわ」
「変な噂?」
 まだ何か、モット伯爵についてあるのか?サイトはルイズの話に耳を傾ける。
「なんでも、モット伯爵の屋敷で働く使用人たち、ここ最近様子がおかしくなったって話を聞いたわ。正直言って単なるくだらない噂だけど」
「どんな?」
「木にかじりついて食い散らかしていたって話よ。聞いたときは正直耳を疑ったわよ。そんなありもしない話、噂として広めるにしてもありえなさすぎるじゃない」
(木を、食らう?)
 確かに噂話として広めるにしてはあまりにもおかしい。噂としてここまで広がること自体あり得ない内容じゃないか。でも、こうして噂として広まっているなら、何かあるんじゃないか?クール星人に拉致されかけたせいだろうか、サイトはその話にきな臭さを覚えた。
「あんた、シエスタを連れ戻そうなんて考えないでしょうね?」
 もしかしたら、と思ってルイズは、サイトがシエスタを連れ戻そうとするのではと勘ぐり、嫌まさかと思いながらも尋ねる。
「できないのか!?」
「本気で考えてたの!?」
 できれば外れてほしいと思っていたのだが、嫌なことに当たってしまったらしい。
「言っておくけど、シエスタのことはあきらめなさい。相手が伯爵となると、公爵家の三女である私でも、一介の学院の生徒であることに変わりないわ。それにメイド一人のために公爵家のコネを利用しようとすると私の実家に迷惑をかけることにもなる。だから私にはシエスタをどうこうすることなんてできない」
 まるでシエスタを見捨てるような言い方。
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