遭遇-コンタクト-part1/メイドのピンチ
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とはよ!数えきれねえほど長生きしてきたけどよ、あんなのは初かもしれねえ!」
現在ルイズは授業中だ。本来彼女はサイトも自分の身を守らせるために連れていくつもりだったようだが、トリスタニアでの激闘の日、無事を知らせたサイトはお怒りのご主人様から離れた罰として今日は掃除を命じられていた。下着を含めた洗濯までは、キュルケに恥じらいがないと馬鹿にされるだろうから譲歩したらしい。
あの日からデルフリンガーはサイトのことを相棒と呼ぶようになった。部屋の壁に掛けられたデルフは、サイトが先日のトリスタニアの街で彼を所持したまま変身したために彼の正体を知ったようだ。
「…」
雑巾がけをしていたサイトは無言だった。張りつめた空気を放ちながら、いかにも怒っていることをアピールしている。
「おーい、何を怒ってるのか知らねえけどよ、何か言ってくれよ相棒」
しかし話しかける側としては何か返事をしてくれないと寂しいものだ。デルフは無言のままのサイトに言った。
「…あ、そうだ!おめえさん、あの巨人の姿のこと、貴族の娘っ子に言わないままでいるのかい?それなら俺っちも黙っておいとくぜ。ああいうのは身内にも敢えて明かさないままでいるのがよさそうだしな」
「…そうか、助かるよ。デルフ」
ようやくサイトは返事をしてくれたことに、デルフはホッと息を吐いた。デルフの言葉を聞く内に、苛立ちが次第に薄れてくれたのかもしれない。デルフは自分が常時持ってはおかなければならない武器だ。人間と同様の意思を持つ以上は必ず自分たちの正体を知ることになる。あらかじめ教えようとする前に、彼が自ら黙っていてくれるのなら安心だ。
「にしてもよ、朝から何をそんなに苛立ってんだ?」
「ああ、悪い。でも、デルフは気にしなくていいよ」
急にサイトはケロッと笑みを作った。
「そうかい。でも相棒。言いたいことあったら俺っちに何でも言っとくれよ。俺っちはおめえさんの剣だからな、愚痴でもなんでも聞いてやるぜ」
剣という立場だからだろうか、彼は付き合いのいい性格をしていた。見た目は錆びついたボロボロの剣だが、精神面においても頼りになってくれそうな奴だ。それに引き換え…ゼロは…あの真のウルトラマンを自称する薄情者は…!!
何が真のウルトラマンだ!目の前の子どもの命を見捨てようとする奴が、ウルトラマンであってたまるか!!あんな奴、俺は絶対に認めねえ!理不尽な罰を下すルイズ以上にひどい奴だ!
サイトは自然と拳を握った。すると、誰かが部屋の扉をノックしてきた。
「サイトさん」
「その声は…シエスタ?」
「はい。あの、もうご飯お食べになられましたか?そろそろお昼なので…」
ルイズはご主人様の断りなく他人を入れるなとでも言うだろうが、さすがにシエスタが何かやらかすとは思えないし、大丈夫だろう。それに
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