暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
第一章 光の使い魔たち
王都-トリスタニア-part1/その名はゼロ
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た。
「はぁ…そこまで仰るのなら…」
 シエスタも半信半疑なままだが、とりあえず彼の言っていることは本当だと無理に納得してみることにした。しかし、彼女はふとサイトの話したと自分の記憶を照らし合わせ何かを思い出した。
(あ、でも…なんか似たような話を聞いたことあるかも…)
 不思議なことに、彼女は聞き覚えがあるのを感じたのだ。でも、どこで聞いた話だっただろうか?
「そうえいばシエスタ、あの日の怪我は?」
 確かシエスタはクール星人に襲撃されたあの日に足を汚して逃げ遅れてしまったはず。それを思い出したサイトは彼女の足を見やる。
「え?あ、はい。ミス・モンモランシが治療の魔法をかけてくださったので、もう平気です。でもまさか、貴族の方から治療をしていただけるなんて、未だに驚いてしまいます」
 シエスタはほんのりと頬を染めながら笑みを浮かべた。ああ、この人は勇敢であると同時に優しい人なんだ、と。しかも偶然にも自分と同じ黒い髪。何かこの人と通じるものがある。…いや、一つ忘れていたことがある。この人に対して言わなくてはならないことがある。
「あの、サイトさん…」
「何?」
 妙に申し訳なさげに言うシエスタに、サイトはどうしたんだろうと首を傾げる。
「ミスタ・グラモンと決闘をなされた時のことですが…」
そう言うと、彼女はサイトにぺこりと頭を下げた。
「ごめんなさい。怖くなって逃げ出したりして。私の失敗のせいでサイトさんが殺されるんじゃないかって思ったら…」
 確かにシエスタはギーシュから因縁吹っ掛けられ、それを止めようとしたサイトがギーシュからの決闘を受けたとき、彼女は青ざめて走り去っていった。
「ほんとに、貴族は怖いんです。私みたいな魔法を使えないただの平民にとっては。
でも…もう怖くないです!私、サイトさんを見て感激しました。平民でも、貴族に勝てるんだって!それどころか、貴族さえ恐れ慄いたあの空飛ぶ赤いものにも物怖じせず勇敢に皆さんを助けに向かったサイトさんは、私たちの憧れです!」
ぱあっと擬音が聞こえてきそうなほど、その表情は明るかった。
「そ、そう…はは」
頭を掻きながら乾いた笑い声をあげる。
「じゃあシエスタ、俺そろそろルイズのところに戻るから」
「あ、はい。またいつでもいらしてくださいね」
 シエスタはにこやかに笑みを見せ、サイトに食い尽くされた料理を乗せていた皿を持って洗い場へと去って行った。ちなみに彼女の視線が熱を帯びていたことに、サイトは気が付かなかった。



 その頃、トリステインの存在するハルケギニア大陸から遠く離れたエスメラルダのとある大陸…。
 その大地はひどく荒れ果てていた。爪痕や足跡などが生々しく残っている。その原因と思われる、二つの巨大な影が互いに暴れまわっていた。もうお分かりだろう、
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