暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
第一章 光の使い魔たち
王都-トリスタニア-part1/その名はゼロ
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明らかに話をすり替えられた気がする。
『いくら俺がお前と同化しているからって、あのキザ小僧相手に見せた剣捌き、初めてのモノとは思えなかった。お前剣術とかに通じてたのか?』
「まさか!俺はこれまで剣を握ったことなんか…」
 そうだ、思えば自分が真剣を握ったこともあれが初めてだ。だが、ゼロから借りた身体能力があったとはいえ、一朝一夕であんな達人クラスの剣捌きができるなどあり得ない。やろうとしても体がもつれて転んでしまいかねない。
「あの、サイトさん」
「へ?」
 名前を呼ばれてサイトはふと、自分の背後を振り返る。
「お一人でどうなさったんですか?傍から見たらちょっと怪しいですけど…」
 シエスタだ。どうもゼロの声はどう介しているサイト以外には聞こえないらしく、傍から見ればひとりごとをブツブツぼやく怪しい男にしか見えなかったのが気になったようだ。
「あ。あはははは!ルイズが頭をぶってくるから幻聴でも聞こえてたのかな〜?」
なんとも胡散臭い言い訳。サイトは笑ってごまかした。
「それにしても、先日現れたあの巨人はなんだったんでしょうね?教師や生徒の方々は皆あの日の光景を口々に話していましたよ」
 サイトを厨房に案内しテーブルに座らせると、シエスタはサイトと会ったその日から頼まれていた賄食を皿に盛りつけ、彼の前に置く。
「ウルトラマンのこと?」
「サイトさんはあの巨人をご存じなのですか!?」
 テーブルの向かい側に座っていたシエスタが身を乗り出しながら飯をもらっていたサイトに問い詰めてきた。彼女の顔が眼前に飛び出し、さらには服の上から見ても大きい胸がたゆんと揺れたものだから、サイトは思わず息を呑んでしまったが、なんとか自分の煩悩を戒めて頷いて見せた。
「う、うん。まあね…俺の故郷じゃ、彼らのことをウルトラマンって呼んでいるんだ」
サイトはそれからシエスタに、ウルトラマンが約50年前から長きにわたって自分の故郷・地球を何度も守ってきてくれたこと、そのたびに地球人もまたウルトラマンと共に肩を並べて戦い成長してきたことを話したのだが…。
「サイトさん!いくら私が平民の田舎娘だからって、からかっているんでしょう!?」
 ウルトラマンのことは聞き入れたのだが、シエスタはサイトが地球に関する説明を入れたときに信じられないと言った。まさかこことは違う星に月が一つで魔法のない、だが人間が存在する世界が地球だと話したところでそう言ったのだ。まあ、無理もないかな…とサイトは思った。もし宇宙人が架空の存在だとしたら自分も本気で信じることはなかったに違いないから。
「まあ…信じられないのはしかたないけどさ、俺の言ったことは本当のことだよ。からかってなんかない。命賭けてもいいくらいに」
 命を懸けるのは流石に大げさかな?と思いつつもサイトはシエスタに言っ
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