第一章 光の使い魔たち
王都-トリスタニア-part1/その名はゼロ
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命を共にするはずだった俺と命を共有することで生き長らえた。一石二鳥だろ?』
ああ、やはりあの時見た青い光がゼロ自身だったのか。ウルトラマンは自分を光そのものの姿に変えることもある。ゼロもその姿で地球に訪れたのだ。
でも、特に特別な意味があって自分と一体化したわけではなかったようだ。心なしか少し残念な気持ちになる。普通こういう時は、自分に何か特別な要素か何かがあるのかと思ったが、さすがに漫画の読みすぎだったと反省した。いや、実際漫画の読みすぎという表現では留まりきれない。自分はウルトラマンと同化した、それ自体現実的にありえないのだ。それに…。
「ギーシュとの決闘で、俺5メートルは軽くジャンプしたんだけど。体も軽くなったし。後あの鎧は何?変身して倒れからしたら、すっごく動き辛かったんだけど…」
人間がほんのちょっと足に力を入れたからってあんな超人的な跳躍力はあり得ない。
『落ち着けよ。そんなに質問を一度に何度も吹っかけられても答えられねえっての。順を追って話すから落ち着いてちゃんと聞けよ』
いけない。答えを知りたくて焦りすぎたようだ。サイトは深呼吸して落ち着きを取り戻す。
『あのギーシュって奴とお前の決闘の時のことだが、あの身体能力は俺と同化した影響によるもんだ。そして変身した時に俺が来ていたあの鎧はテクターギア。俺たち宇宙警備隊のウルトラマンの訓練用プロテクターだ。身を守ると言うより、筋力増強と厳しい環境下においても有利に戦えるようにするためとか言っていたって話だ。
今、お前の左腕についてるそれがそうだ。ったく、人間に憑依しても外れねえとか、厄介なもんだぜ』
あの人間のモノとは思えない身体能力は、彼と同化している影響からか。それなら納得がいく。テクターギアのことも、ようするにランニングとかをするときに足に付ける砂入りの重りみたいなものか、とサイトは納得した。通りで…でもあの重さは尋常じゃない、変身した途端体が鉄球そのものになったような重みを感じたのだ。あんな動き辛いものを、どうしてゼロは身に着けていたのだろうか。右腕に身に付けられていた、ブレスレッド状態のテクターギアを見るサイト。
「じゃあ、なんでそんな厄介なもん外さなかったんだ?実戦だとさすがに外すだろ、あんな鎧」
すると、ゼロは黙り込んだ。そんなゼロにサイトは目を細めた。なぜ何も言わない?
『俺だってな、好きで身に着けてたわけじゃねーんだ。それに、あの鎧は外れねえんだよ』
「外れない?どうして?」
『………』
またしても口を閉ざすゼロ。
「お、おい。何とか言ってくれよゼロ。無言じゃわからないって…」
『それより、お前だって少しはやるんじゃねえの?俺には遠く及ばねえけどな』
「へ、俺?」
いきなり自分のことを問われたサイトは自分を指さして首を傾げた。なんか
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