第一章 光の使い魔たち
王都-トリスタニア-part1/その名はゼロ
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の方に向けられ、見られたサイトは俺?と自分を指さした。
「その贈る人って、うちの使い魔じゃないでしょうねえ!?」
「それはあなた次第よルイズ。あなたが私の手に届かない程の剣をダーリンに贈れば、私は何もしないわ。でも、鈍を贈る様なら私が彼の為に剣を贈るわ。主人の選んだ剣の所為で、彼が死んじゃったら彼が可哀想過ぎるものね」
ルイズのこめかみがピクピクしている。ああやばい、もう沸点を超えようとしている。さわらぬ神にたたりなし。サイトは何とか逃げ場を探そうと考えていると、街の人たちの話声が聞こえてきた。
「聞いたか?魔法学院、妙な空飛ぶ円盤に襲われたってよ」
話題は、どうやら先日クール星人の円盤に襲われた魔法学院のことのようだ。
「空飛ぶ円盤?おいおい冗談だろ?」
「冗談なもんか、俺はなんたって魔法学院に勤めてるからな」
話をしている平民の一人は、魔法学院で勤務している身のようだ。料理人か?それとも衛兵だろうか。
「でも、自業自得って気もするよな」
「!」
ルイズはその言葉を聞いて、耳をピクリとさせた。自業自得?こいつらは何を言ってるのだ。立ち止まったルイズはそのままの状態で平民たちの話を聞いていた。
「ああ、最近の…特にトリステインとアルビオンの貴族連中は傲慢で気に入らねえ能無しばっかだしな。ロクな政をやってる奴なんか数えるほどしかいねえ。何やってんだって話だ。真っ先に影響受ける俺たちの身になってほしいもんだ」
「連中は野蛮だとか言ってるけど、ゲルマニアを見習うべきだよな。なのにどいつもこいつも古臭いしりたりとか地位にばっかこだわりやがって…ガリアだってそうだ。最近ジョセフが王位を授かってからロクなもんじゃない」
ルイズはもうここまで聞いたときには、怒りと屈辱で顔を真っ赤にしていた。
「あいつら…貴族に対してなんてことを…!!」
我慢ならず、ついに貴族への失言を吐き続ける平民たちの方へと歩き出そうとしたが、キュルケが彼女の肩を掴んで引き留めた。
「ヴァリエール、落ち着きなさいよ」
「キュルケ、あんたはいいわよね。見習われる側の国の出身なんだから。でも、私たちトリステインの貴族を全員侮辱したのよ!あの平民たちは!」
「だからってあなたが彼らに手を挙げていい理由にならないじゃない。それとも、あいつらで鬱憤を晴らすためなら、あなたの暴力で余計にトリステイン貴族の名に泥を塗ってもいいのかしら?」
「ぐう…」
キュルケも嫌なことを言われたりしたら怒りたくもなる。だが冷静に考えてみよう。ここでルイズが迂闊に彼らに手を出したら、それこそ平民からの怒りと不満を余計に買ってしまうだけ。信頼されるべき貴族が民からの信頼を余計に失うことになる。それをもし実家の家族に知られたら、罰としてずっと自宅で軟禁生活を送られるようなことにもなり
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