十三話 夏中
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
月光館学園に入学して、もう4ヶ月は過ぎた。
「ふぁ〜」
いつもの学校へ行くときよりも遅めの時間に起きる。
ベットから起き上がり携帯を開いて時間を確認する。
8月22日 9:30
なんたって今はまだ夏休み。
この時刻に起きてもなんの問題もない。
「んーー」
グッと体を伸ばす。
ペキペキと肩や腰から音がする。
「ふぅ」
その音に満足しながらベットから降りる。
寮は長期休暇では朝食が一定時間までにリビングに下りると、寮母さんが作ってくれる。
服を着替えて、顔を洗い下へと向かう。
ちなみに今の部屋は2階にある。
「おはよー」
「おーう」
この時間に起きているのは俺と友近と数人だ。
元々この寮にはそれほど人数はいない。
かと言って原作の主人公達の寮ほど少なくはないが。
どうやらこの寮は最近できたらしく、居るのはほとんどが1年生。
たまに2年生を見かける、その程度だ。
3年生に関しては一人もいない。
学生にとってたかが朝食代と侮ることは出来ない。
だからと言って毎日朝食抜きというのもどうかと思う。
だからなのか、寮の大抵の人間は朝食を食べる時間に起きてくる。
しかし、起きてこないのが一人。
「順平はまだ寝てんのか」
友近が呆れながらテーブルの上に置かれた朝食をとる。
この寮が小さいためなのかはわからないが、席の数がそれほど多くはない。
そのためほとんど皆、毎日決まった席で朝食をとっている。
「あいつのことだ、どーせ夜中までネトゲやってんじゃないの?」
そう言って、友近の前に座っている俺も朝食をとる。
「なん言ったっけ?・・・えーと、デビ、デビなんとか」
「デビバスターズ・オンラインだろ?」
「そうソレだ」
最近は毎日のようにそれについて語ってくるのだ伊織は。
「ま、どうでもいいけど。んなことよりさ、今日暇?」
「大抵暇だろ。毎日が日曜日みたいなもんだし」
「そうだなー。あーでもそろそろ宿題とかやんなきゃなんねぇのか」
「お前まだやってないのかよ」
呆れ気味に言う。
前世ではありえなかったことだが、この世界で俺は優等生なのだ。
なんてたって、
(勇気が!勇気がある!)
というのは関係ないのだが、前世ですでにやったことであるし、子供の頃に高校生用の勉強を既にしていた。
「嘘!?おまっ!・・・もしかして終わってんの?」
友近が一瞬固まった後、声を潜めて聞いてくる。
この寮の人間は何故だか知らないが、あまり頭の良い生徒がいない。
言うなれば伊織のような人間ばっかりが集ま
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ