暁 〜小説投稿サイト〜
やはり俺がワイルドな交友関係を結ぶなんてまちがっている。
実は、里中千枝は気が使える。
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気づく。部屋の入り口に立っているもの。さっき見た丸っこい生物の正体。

「キ……キミ達、誰クマ!?」

………………クマ?

うん、迷ったら人に聞いてみよう。

「……なあ里中、どう思う?」

「うーん、そうじゃんね。パンダかアザラシ?」

「いやそれは……とりあえずクマではないな」

「ヒ、ヒドい!? キミ達シドいクマ!?」

俺たち三人の会話にいささかオーバー気味に反応したソイツは、端的に言えば着ぐるみだった。
毛皮が割とふさふさ、目玉が動くという点において本格的な作りをしている。多分それはこの場における共通の認識だ。
評価が分かれるのはここからで、それは何かと聞かれれば、この着ぐるみのモチーフだった。
語尾を聞く限り、本人はクマを自称しているようだが、果たしてその外見を見てクマと断ずることのできる人間が何人いるだろうか。
球に近いその体型は明らかにクマのものではないし、色も赤青黄色とおよそクマらしくない。唯一クマらしさを残しているのは、半円状の耳くらいか。
まあ、良いんだけどね。どっかの誰か風に、我を見た目で断ずるな、とも言うし。きっと本人の心の持ちようなのだ。彼はあれほどまでにクマらしくない体を与えられ、それでも主人の言いつけ通りにクマを演じようとしているのだ。何と健気なことか。
まだ見ぬクマ(仮)の中の人に、乾杯。

「な……何でそんな目でクマを見てるクマ?」

「いや……あれだ。たとえ世界中の人間全てに馬鹿にされたとしても、俺だけはお前の味方だからな」

「いきなりどうしたの比企谷先輩!?」

おっと、俺的に言ってみたいセリフベスト14が出てしまった。なにそれ微妙な順位。

まあ、追ってきたのが人間でよかった。この霧の中、こんなふざけた格好をしているくらいだ。この辺りの地理にも詳しいのだろう。

「……とにかく、キミ達は早くあっちに帰るクマ」

そう、その言葉を待っていた! のだが。

「あっちってのは何なんだ? と言うか、そもそもここは何処なんだ?」

「ここはここクマ。クマがずっと住んでるところクマよ」

「答えになってねぇ……」

俺の呟きは安定のスルー。着ぐるみはキッとした目をつくると言葉を続けた。

「最近、誰かがココに人を放り込むからクマ迷惑してるクマよ! 誰の仕業か知らんけどあっちの人も少しは考えて欲しいクマよ!」

「意味わかんねぇよ! カッコといい何といいふざけてんのか!?」

「ムッキー! ふざけて何かないクマよ!」

花村との怒鳴りあいを聞くうちに、ふと思い出した。

「その声……どこかで聞いたような気が」

「あ、
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