暁 〜小説投稿サイト〜
やはり俺がワイルドな交友関係を結ぶなんてまちがっている。
実は、里中千枝は気が使える。
[4/13]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
そう言いつつ、考えている風の花村の方へちらりと視線を送る。
「………………」
「……花村、ちょっと気にしすぎなんじゃないの? 小西先輩、たまたま疲れてただけかもしれないじゃん」
「そうかもしんないけどさ……」
花村は視線を彷徨わせる。
「…………そうだ」
その様子を見て、里中が軽く息をつきつつ身を乗り出してきた。
「ねぇ、迷える花村に良いコト教えたげる」
本当、お疲れ様です。そう思いました、まる。
「……マヨナカテレビって、知ってる?」
「マヨナカテレビ……?」
なんかこう、B級都市伝説的なにおい漂うネーミングセンスだな。
「……雨の日の午前零時に消えてるテレビを一人で見るんだって。画面に映る自分の顔を見つめてると、別の人間が映るってヤツ」
あー、その先は何か予想つく。
「……で、そこに映った人が運命の人なんだってさ」
安易だね。安易すぎて安易だ。
あれ、このコメントも安易?
まあでも、女子の好きそうな類かなぁ、何て思っていると、花村が意外な反応を返した。
「……ああそれ、俺やったことあるわ」
「……え。マジで?」
やべえ、思わず言葉が口をついて出ちまったよ。
ていうか、え、花村くん、意外とピュアですね。
「ねえねえ花村、何か映ったの?」
里中が興味しんしんなふうにたずねる。
ここでもし"小西先輩"とか答えられたら、どこの不思議系ラブコメだって話だが、まあ、里中の期待するような展開はないだろうな。
「いや、それがさ…………何か、山野アナが映ったんだよ」
は、映ったの?
って一瞬でも本気で反応しそうになった自分が恥ずかしい。冗談に決まってるじゃんか。
ほら、よくあるだろ? クラスメイトに"蹴るぞ"って言われて、ビビってたら"冗談だって〜(笑)"なんて。でも結局蹴られるんだよね。
何それ冗談じゃないじゃん。以上、最近の若者の言葉の乱れを本気で心配する高3生でした。
「いや、信じらんねーかもしんないけど、マジなんだって」
え、もしかしなくてもイタい系の人だったの、花村くん。
真剣な顔で言われても、僕信じないよ。
「それって不倫でニュースになってる人だよね…………花村、あたしは信じるよ」
おーい、里中さん? この話は花村の注意を逸らすための、ほんのジョークだったんじゃないのー?
里中は続ける。
「ほら、何か映ったって話自体は結構聴くし……何より、あたしも見たんだよね、山野アナ」
そんな"みんなやってるよ"的な言葉に、俺は
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ