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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross world〜
cross world:交角
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しかし、目前の存在に限り、それは違うのかもしれない。そもそも、コレに《奥の手》などという、確実に敵を撃滅できる方法を後回しにしておくという思考が存在しているのかどうかも怪しい。
ならば何故、今取り出したのか。
「…………………………」
わからない。
分からない。
解からない。
判らないからこそ、《怖い》。
ぶるり、と。全身が突如として震えた。
それは決して恐怖からのものではない。言うなればそう。
高揚感、とか。
「やれやれだ」
と言いつつも、自然と口角がつりあがった。
《様子見》のつもりで戦っていたが、それも止めよう。
本気でやってやろうではないか。武人ではないので失礼だとか考えたわけではない。ただ、《強者》と認めただけの話だ。
だからこそ、見た目ではため息をつきつつも、闘志は衰えないどころか天井知らずに上がっていく。
「……敵、と認めてやろう。お前は“わたし”の敵だ」
手元を見ずに。
黒衣の剣士は左手を振り下ろし、メニューウインドウを発現させた。続けて、そこにある装備欄を、まるで見えているかのように、一切視線を落とさずに操作する。
それはさながら、ピアノの鍵盤を叩く
演奏者
(
ピアニスト
)
のように。
それはさながら、オーケストラを操る
指揮者
(
マエストロ
)
のごとく。
粗野な笑みさえも芸術となり、昂ぶる闘志は前奏曲となる。
現れるは一振りの長刀。
そして、真っ赤なガラスを持って造られた飾り紐。
飾り紐が伸びる柄を握り、金色の不死鳥の装飾が施された黒塗りの鞘から静かに抜刀すると、背筋が凍りつくような圧力を纏った美しい刀身が外気に触れた。
手を飾り紐にかざすと、紅の玉から、さながら地獄の業火のごとき灼熱の炎が溢れ出し、かざした手ごと飾り紐を覆い尽くす。
刹那の後、そこにあったのは紅水晶から直接削り出したかのような、一本の剣であった。
二つの剣を、しっかりと握る。
今現在、自身にできる最高の攻撃力特化構成。
《陽光》
二つの、甚大な重圧を纏う武器が顕現したからか。
一人称が変化した少年を覆う空気の質もまた、異質なものへと変容していく。空間が陽炎のようにぐにゃりと曲がり、ピリピリとした気は見る者の心を魅せる。
『jnc除kldi;去yt』
血を吐くような
地が轟くような
そんな声とともに、怪物が痺れを切らし始める。
その、ガラス玉のように一切の感情が欠落している双眼を見返しながら、しかしどこまでも冷静に、静かにソレイユは胸中で呟く。
―――お前が本当に“わたし”考えた通りの存在なら、世界の意思なんていうモノから生まれ落ちたんだったら…………。
悲
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