レーサーの魔法
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?自慢のスピードでここまで来てみろ。」
「…。」
レーサーはしばらく黙りこむがすぐに笑みを浮かべる。
「甘いなァ。」
ドン
レーサーがさらにスピードを上げる。
「!!!」
ドゴオッ
「ぐはァ。」
リオンの背中の氷が粉々に砕け散りダメージを受ける。レーサーはスピードを上げたことで突進力を倍加させたのだ。
「格下相手に最初から本気でやると思ったか?」
吹っ飛ばされたリオンは受け身をとり素早く態勢をたてなおす。
「どこへ行く気だ!!!」
リオンはレーサーに背を向けただひたすら走る。
ガッ
「ぐはっ。」
ズザザ
さらに追撃を受けるリオン、それでも走る事をやめない。
「リオン様…。」
シェリーはリオンの考えが読めないでいた。
「おいおい、最初の威勢はどうしたァ。」
レーサーはさらにリオンに攻撃を仕掛ける。
バキ
「がっ。」
ガコォ
「ぎいっ。」
それでも足を止めずリオンは走る。
「ど、どこまで行くんですの…!?」
シェリーは小さな人影となったリオンに問うがその答えは返ってくるはずもない。
ギュン
「くっ。」
ギュン
「あ。」
ズガガガガ
「ぐあああぁっ。」
リオンはレーサーの連続攻撃をもろに食らってしまった。
ズザァーッ ガン
「がは。」
ついにリオンはダメージに耐えきれずその場に倒れた。
シャキ
「!!!」
気づけばレーサーはリオンに馬乗りで首もとにナイフを突きつける。
「てめェはオレに決め手にかけると言ったな。だか、そんなものは小型のナイフが一本あればいい。
オレのスピードがあればてめェが何かの魔法を使うより先にその喉をかっ切れる。
若ぇうちは増長するのも悪くねぇが相手がよくなかった。
オレは六魔将軍だ。」
「ハー ハーハー。」
リオンはただそれを静かに聞くことしかできなかった。今動けば完璧に喉を切られてしまう。
それがわかっているからレーサーはだらだらと喋っていられるのだ。
「六つの魔、六つの祈り“オラシオン”。決して崩れねぇ六つの柱だ。その柱を揺らす者には、死あるのみ。」
「やは、り…。」
リオンがブツリと呟く。
「?」
「遠くの鳥がものすごい速さで飛んでいるのを見て…貴様の魔法の正体が…わかった気がした。」
「!?」
「貴様の魔法は自分自身の速度を上げる魔法じゃない。相手の…いや、正確には一定範囲内の体感速度を下げる魔法。」
リオンはレーサーの魔法の正体を推理した。レーサーは顔に冷や汗をかいている。どうやら図星のようだ。
「つまりはオレが遅くされていただけ。
そして、この魔法が一定範囲内にしか効果がない以上その範囲外から貴様
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