暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第3話 「カードローダー」
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ふたりのカードが出来上がると、俺は彼女達をカプセル型のゲーム機に案内し、アリシアとエイミィはそれぞれオペレーターの位置に着いた。きちんと真ん中に立つように伝えると、少女達から元気な返事が返ってくる。彼女達とは今日が初対面であるが、アリシアよりも好感が持てる子達かもしれない。

「あっちの準備はOKだ」
「よっしそれじゃあ……ブレイブシミュレーター」
「スイッチオン♪」
「あっ……私が押したかったのにぃ」
「にへへ」

 エイミィはアリシアの肩を掴んで揺らし、揺らされる側は楽しそうに笑っている。

「バカやってないでさっさと進めろよ」

 本来ならば高町達のほうに意識が向くはずなのだが、子供じみたやりとりをするアリシア達にそう言わずにはいられなかった。看板娘とチーフがこんなんで大丈夫なのか、と思いもしたが今は言わないでおくことにする。ふたりの意識をこちらに向けると少女達が待つことになってしまうだろうから。

「みんな、どぉ〜?」
『凄いね。こうふわーっとして』
『まさかゲームで無重力体験しちゃうなんて驚きだわ』
『何だか不思議な感覚……』

 高町や月村はいいとして……バニングスは驚いているというよりは楽しそうに見える。3人の中のリーダー格だと思っていたが、案外一番子供なのかもしれない。
 アリシアは高町に『3人プレイ』で『フリートレーニング』、ステージは『雲海上空』を入力するように指示した。入力したと返事があると、次なる指示を出す。

「おっけー、それじゃあブレイブホルダーを胸の前にかかげてコールしてみて」
『コレを……』
『胸の前にかかげて……』
『ブレイブデュエルスタンバイ!』

 コール終了と同時にプレイヤースキャンが開始される。アリーナ上のランダムな位置に少女達のアバターが生成され始め、続いて彼女達がそれにダイブされていく。
 エイミィの前にあるディスプレイに無事全ての工程が完了したと表示されると、目を閉じていた高町達に指示が飛んだ。

『なっ……』
『え……』
『うそ……』

 高町達が驚きの声を上げたのも無理もない。彼女達は今仮想とはいえ、広大な空の上にいるのだ。初めてプレイする人間ならば、大抵彼女達のような反応をするだろう。

『なにこれ……どどどどうなってんの、雲の上じゃない!?』
『わわわたしたち、う、浮いてるよアリサちゃん!』
『…………』

 栗毛と金髪の子、グランツ研究所の人間が見たら喜びそうなくらいに良い反応をしている。ひとりだけ落ち着いているように見えるが、あれはどちらかといえば呆気に取られているといったほうが正しいかもしれない。

「新鮮な反応ありがとう。これが当店目玉、体感シミュレーションの最新鋭にして最高峰の《BRAVE DUEL》!」

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