暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第2話 「初来店」
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ことは言っていないはずなのに、なぜ即行で否定されたのだろうか。3人いたところで説明できる内容は俺が抜けた場合と大差ないはずなのに。

「理由は?」
「なのは達は初めて遊ぶんだよ。だからショウは先輩としてアドバイス」

 適当な返答が来るかと思ったが、まさかのまともな理由だった。
 年齢的にフェイトのほうが適任だと思うが、彼女は今頃エキシビジョンマッチをしているはずだ。アリシアも経験者だが、ゲームの操作をするとなると俺が妥当だろう。
 理解した、という返事をしようとした瞬間、遠くから歓声が聞こえてきた。自然と全員の視線が声がする方へと向く。見えたのは興奮して何かを見ている男女達だった。

「いったい何なのよ?」
「ちょうどエキシビジョンマッチの最中だったみたいだね。ほら、あそこのスクリーンでプレイ状況が見えるよ」

 アリシアが指した先には巨大なスクリーンがあり、黒衣を纏った少女が映っていた。彼女は漆黒の斧のようなデバイスを構え、雷光のような速さで男性プレイヤーに接近していく。
 男性プレイヤーが反射的に《シュートバレット》と呼ばれる魔法を放つが、少女は一瞬にして斬り裂いてみせた。距離が近かったこともあって、男性プレイヤーは爆発に巻き込まれてダメージを負う。生じた隙を見逃さず黒衣の少女は、《プラズマスマッシャー》という砲撃魔法を放った。その一撃によって勝敗が決した。

「あの子、勝っちゃった……」
「相手は大人なのに」
「あの子はね、うちの誇るエースなんだ。すごいでしょ」

 バニングスと月村が驚いたことは理解できるが、ブレイブデュエルはゲームだ。ゲームは腕さえあれば勝てるものであるため、子供が大人に勝つことだって充分にできる。楽しみながらプレイしていれば、必然的に考えることも増えるだろう。この子達もプレイし続けていれば、いつかフェイトのように大人に勝つ日だって来るはずだ。
 ――それにしても、高町って子だけは違った反応をしているな。見惚れているとでも言えばいいだろうか。おかしな意味で見惚れているのではないとは思うが……いや、彼女とは今日会ったばかりだ。本人がどう思っていようと口を挟める立場じゃない。

「ね、面白そうでしょ?」
「うん」
「それじゃあ、次は必須アイテムを作りに行こうか」




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