禁断の果実編
第77話 変身! 其は太陽に向かう花
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まで伸ばして前面へ出し、迎撃した。
(このツバサ、刃物としても使える!)
どうやらヒマワリアームズは武器がない代わりに、翼を機動兵器とするらしい。
『小賢しイ!!』
赤いオーバーロードはヒマワリフェザーに杖剣を叩きつける。一撃一撃が重い。月花自身にダメージはないが、押されて下がっているのが自分でも分かる。
『〜〜っまだよ!』
月花は腕を振り抜く勢いに乗せてスピンした。広げたヒマワリフェザーが竹とんぼのように回り、杖剣を弾き返した。その隙を逃さず、バク転して両足の機動翼で下から斬りつけた。赤いオーバーロードの硬い甲殻に細い二筋の切り口が奔る。
中空へ舞い上がり、赤いオーバーロードから距離を取る。
(イタイ。イタイ。イタイ)
室井咲の全身には痺れるような痛みが巻き起こっていた。夜中に訳もなく手足が痛くなる現象――そう、成長痛と全く変わらない苦痛だった。今の咲を支えるのは、気力、それのみだ。
(あたしは、おちない。おちるもんか。うしろにみんながいるかぎり)
最初で最後のインベスゲームをした、戒斗。
策士を気取るくせに結局はただのダンス好きな、城乃内。
舞やリトルスターマインの仲間を笑顔にさせるケーキを作る、凰蓮。
街を壊すインベスを共に何度も退けた、ザック。
今こうして助けてくれている、湊。
ぜんぶ、ぜんぶが、室井咲にとって守りたい思い出だ。
彼らを背にして、どうして墜ちることができようか。
痛みがうるさい頭だったから、聴こえた足音も最初は幻聴だと思った。
けれど、その一歩一歩を駆けてくる音は、いつまでも強く鼓膜を叩いて。
顔を上げた先にいた人物を見て、月花は泣いてしまいそうになった。
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