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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第365話】
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って、他の専用機を持たない子に頼むのもおかしいだろ? 量産機と専用機じゃ、違いがありすぎだし、ワンサイドゲームになっても訓練にならないし」
ワンサイドゲームって――お前、そこまで強かったか?
何処から手合わせもしていない女子が自分より下手と思ったのかわからないが……少なくとも、俺が手合わせした理央、玲、鷹月さんはかなり強かった印象があるぞ。
――とはいえ、全員が全員、この三人の様に強いとは限らないのは事実だが……放課後に訓練してる女の子の数、一学期に比べたら明らかに少なくなってきてるし――多分、二年からある整備科への転向を目指したのかはたまた別の意図かはわからないが。
「それに、学園に二人だけだろ、男子の操縦者って。 鈴に頼もうかなって思ったけど最近のアイツ、何か前と違って俺に冷たくなってるからなぁ……。 だから頼みにくくてさ、その点ヒルトなら同じ男子だから大丈夫かなって。 良いだろ、模擬戦?」
……頼んでもないのに鈴音が冷たくなったからって俺を選ぶとは――まあいいけど。
不意に鈴音とのキスを思い出し、唇にあの時の感触が蘇ると俺は唇に軽く触れた。
一夏はその様子に、疑問符を浮かべながら俺の返答を待っているが――それよりも、こうして不意に誰かとしたキスを思い出すと、最近ではキスをしたくなる欲求に駆られる。
キス魔じゃないと思いたいが……もしかすると、皆とキスし過ぎた為に脳内リミッターが外れたか馬鹿になったのかもしれない。
――自分の欲求の為だけにキスをするのはダメだ……。
そう律する様に言い聞かせ、無理矢理払拭するかのように頭を振ってから俺は一夏に――。
「わかった、なら今日の午後四時に第三アリーナで模擬戦な」
「おう。 今日は負けねぇからな、いつまでもお前に負けてばっかりじゃ悔しいし。 んじゃ、放課後四時に」
そう言って屋上を去った一夏を他所に、俺は再度横になると空へと視線を移した。
さっきまで見えていた雲は既に視界から消え、飛行機雲もさっきより左方向に伸びていた。
ゆっくりと時間が流れていく……。
俺は軽く瞼を閉じ、太陽の陽光の暖かさを肌身で感じた。
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