第7章:過去から未来への歴史
第1話:愛と平和への闘争……綺麗事だよね
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(天空城)
「リュカさん達は無事にエビルプリーストを倒せますかね?」
天空城ではマスタードラゴンが水晶を使って映し出すシン達の動向を見守る者が居た。
マスタードラゴンと側近……そしてルーシアである。
「未来の私が選び出した人間なのだし、大丈夫だろうが……全員無事に戻るかは分かりません」
マスタードラゴンの力は地上界までしか届かず、魔界へ行ってしまったシン達の行動を映し出す事は出来ない。
それでも“未来人が来た”と言う事実に、現在の混乱は収まるだろうと予測している。
「ドランも頑張ってる様ですし、リュカさんだったら大丈夫ですよねマスタードラゴン様!」
世界の運命よりも、リュカという個人の事を心配するルーシアに少しの苛立ちを憶えながらも、既に魔界へ行ってしまい何も移さなくなった水晶を眺め目を細めるマスタードラゴン。
周囲の者を退出させ、未来でもリュカと繋がりを持たねばならない事に落ち込む。
長生きする事に嫌気がさした瞬間だったらしい……
吹っ切れてほしいものだ。
(魔界)
ビアンカSIDE
「うわぁ〜、あの景色見た事あるぅ……やっぱり未来と同じ場所だぁ」
遠くに聳えるエビルマウンテンを眺め、リュカが心底嫌そうに記憶を蘇らせる。
そう、ここは私達がマーサお義母様を救う為に訪れた魔界と同じ場所だった。
「確かこの先に……魔界唯一の町があったよね?」
「町? そんな物はないぞリュカ……ピー」
最早言わざるを得ない状況になってしまったデスピーは、恥ずかしそうにリュカの名前の後に“ピー”と言う。
「ウルフさん……リュカさんの言ってる事は本当ですか? 極端に昔の事だから、記憶が曖昧になってるって事はありませんか?」
「知らないよ俺だって! リュカさん達が魔界へ行った時、俺はまだ別の世界で子供やってたんだから。この面子で魔界へ行った事あるのはビアンカさんだけ……俺にじゃなくビアンカさんに尋ねてよシン君」
「リュカの言ってる事は嘘ではないわよ。私達が魔界へマーサお義母様……つまりリュカのお母さんを助けに行った時は、マーサ様が造られた『ジャハンナ』と言う町が存在したわ」
「だよね、あったよね!? でも今は無いなぁ……どうしちゃったんだろう?」
「リュカ……あのね、あの町を造ったのはマーサお義母様なの。ここは過去の魔界なのだから、マーサお義母様が生まれてない以上、ジャハンナがあるわけないでしょ!」
「あぁそっか……母さんが造ったのだから、まだ無いのか! じゃぁ休憩する場所が無くて大変だね。みんな頑張れ!」
「何で他人事なんだよ!?」
新加入のデスピーはリュカの言葉に機嫌悪く反応する。
「僕には関係ないし……つーか何で一緒に来ちゃったんだろ?」
「デスピーさん……そいつ戦
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