第10話 新たな敵はチート吸血鬼!?
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「ねえ、ゆっくんは吸血鬼って知ってる?」
「は? 吸血鬼?」
「うん」
「精神科に行くことをお勧めします。吸血鬼なんて存在しない!!」
「お前!! 私をおちょくってるのか!!」
面倒くさい人だな。
「ああもう、分かりましたよ。実際にはどういうやつなんですか」
「狙ってるやつのことならわかってる。無限罪のブラド。イ・ウーのナンバー2だよ」
無限罪って……やっぱり頭がおかしい……。ん? ナンバー2?
「うわあああああああ!!!!」
「ゆっくん!? どうしたの急に!?」
「……もうやだ。なんで僕ばっかりこんな目に遭うの……」
「うわぁ、一気にネガティブになったねー」
「この前は毒を打たれて、この前は手を凍らされて……もうやだ、こんな人生……」
「犯人の顔が浮かんできたよ……確実に理子の同僚だよ。その人たち」
「で、でも、今は安心していいよ! ブラドは国内にいないはずだから」
なんだか、僕だけでなく自分にも言い聞かせているような感じがする。
今は大丈夫でも、僕が狙われていることに変わらないんだけど……。
「……もういいです。それで、こんな話をしてきたということは何か目的があるんですよね」
「くふっ、ゆっくんは話が早いねー。ちょっとゆっくんに頼みがあるんだぁ」
「頼み?」
「うん、ゆっくんにももちろんメリットはあるよ。 もしかしたら助かるかもー?」
なん……だと……!?
「……わかりました。一回きりですが聞いてあげましょう」
背に腹は代えられない……。
翌日――
「ああ〜暇だな〜。雄一はいないし間宮たちはどっかいっちゃうし……」
「おや、天原君じゃありませんか」
誰かに声をかけられた。
(この人は……えーと)
「小夜鳴先生、どうしましか?」
「いえ、少し体調が優れないように見えたもので」
心配そうな顔でそう言う。
(この人……なんか信用できないんだよな……なんて言うか……匂う……)
「いえ、大丈夫です。重度のストレスで体がボロボロになってるだけですから」
「それは大丈夫とは言いませんよ。少し見せてください、大事な生徒にもしものことがあったら困ります」
そういえばこの人救護科だっけ? 非常勤だけど。
「…大袈裟じゃないですか?」
呆れたように言った僕だったけれど。
「些細なことから大事になることもあるのですよ?」
笑顔でそう返されてしまった。
結局、そのまま押し切られ――。
「ふむ、どうやら異常はないようですね」
保健室まで連れてこられ、熱を測り、血液もされた。
血液検査する必要があるのか?
それともこの人に
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