暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
蒼き魔女の迷宮篇
20.宴の始まり
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力も発揮できない。戦闘力のない夏音と古城を庇いながら彩斗は戦える自信もない。しかも、この内にも優麻の魔術儀式を完成させようとしている。
「えっ……!?」
ホアァァァァーッ、という怪鳥のような雄叫びとともに鈍い打撃音が鳴り響き、黒装束の男の一人が吹き飛ぶ。
唖然とする彩斗たちが振り返るとそこには、赤髪のおだんごヘアに三つ編み、チャイナ服の若い女だった。彼女が繰り出した中段蹴りが、さらにもう一人の黒装束を吹き飛ばす。
「おー、教え子たち。ようやく会えたな。怪我してたりしないかー?」
彩海学園中等部の体育教師、笹崎岬が、のんきな口調で訊いてくる。
「笹崎先生! どうして……!?」
「那月先輩に頼まれたりしてたのよ。自分がいなくなったときに、あんたや暁兄のフォローをしてやってくれって。私が知らないうちに、ずいぶんヤバいことになってたりする?」
「……はい。かなり」
「了解。叶瀬たちのことはこっちに任せて、先に行きな」
そう言って女教師は、奇妙な構えをとった。
「ここは笹崎先生に任せて行くよ。彩斗君、雪菜、古城君!」
友妃の言葉に彩斗たちは同時に動きだし、その場を後にした。
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