暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
蒼き魔女の迷宮篇
20.宴の始まり
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に続いてギターケースを背負って友妃も飛び出す。それを追って彩斗と古城も追いかける。
路上には人々が驚いたように上空を見上げている。
絃神島の中央に位置する、逆ピラミッド型の建物。島内でもっとも高いそのビルの屋上で、なにか蠢いている。全長数十メートルにも達する、不気味な触手だ。
「姫柊! あれは──!?」
「悪魔の眷属! 魔女の“守護者”です!」
「使い魔みたいなものか……! だけど、あの魔力……!?」
キーストーンゲートから感じる圧迫感は、魔女の“守護者”が放っているものではない。
あの場所には、巨大な使い魔よりもさらに凄まじい魔力を放つ存在がいる。
「この気配って……」
「はい、あれは暁先輩の──第四真祖の魔力の波動です」
「ユウマか!」
彼女の存在を確信して、古城は走り出そうとする。
「──!?」
そんな古城の行く手を遮るように、見知らぬ人々が立ちはだかる。
死神のような黒いローブを包んだ男たち。数にして十数人。彼らは明らかに、古城たちをキーストーンゲートへと近づかせないように阻止している。
「先輩、下がってください!」
槍を構えた雪菜が前に出る。仮装した人々の前なら、“雪霞狼”は目立たない。
「なんだ、こいつら……!?」
「わかりません。でも、たぶんわたしたちの足止めが目的だと思います」
「ユウマの仲間か……ずっと俺たちを見張ってたんだな」
彩斗は右手を突き上げて鮮血を放つ。
「アスタルテ、夏音を頼むぞ!」
「
命令受諾
(
アクセプト
)
」
無防備に立ち尽くす夏音を守るように、彩斗は
人工生命体
(
ホムンクルス
)
の少女に指示を出す。アスタルテはうなずいて、自分の眷獣を召喚した。彼女の背中に出現した翼が、左右一対の巨大な腕へと姿が変わる。
彩斗も眷獣を召喚しようとする。
「ダメだよ、彩斗君!」
友妃が彩斗の前に立ちはだかる。
彼女の手には銀を主体とした日本刀のようなフォルムをした近未来の武器を握っていた。
それが彼女の持つ獅子王機関の秘奥兵器“
夢幻龍
(
むげんとう
)
”だと一瞬でわかった。
友妃の今の格好が着物のため日本刀を思わせる“夢幻龍”を持っているのがとても似合っていると思ってしまった。
だが、この状況は結構まずい。
いつの間にか路上にいた観光客たちは、半径十メートルほどの距離を開けて、彩斗たちと黒装束の集団を取り巻いていた。波朧院フェスタの路上パフォーマンスかなにかだと勘違いされているようだ。
だが、これで彩斗たちは逃げ場を失った。
一対一の戦いなら、雪菜や友妃なら手こずることはないが、今回は敵が多すぎる。
これだけ人がいては、アスタルテの眷獣も、本来の
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