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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
蒼き魔女の迷宮篇
20.宴の始まり
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…」
たとえ優麻が魔女だとしても、再生能力を持つ吸血鬼の古城とは違うのだ。
「だ、駄目に決まってるだろ、そんなやり方!」
「はい。できればこの方法は使いたくありません」
怒る古城に雪菜が言う。
「どうしても“雪霞狼”を使わなければならないとしたら、優麻さんに乗っ取られた先輩の身体を狙うしかないですね。先輩なら、ちょっとくらい死んでも復活するはずですし、優麻さんの肉体への反動も最小限で済むはずです」
「いや待て。それ、俺が元の身体に戻ったときに死ぬほど痛い思いするよな。ていうか、俺が死ぬのは前提なのかよ!?」
「騒ぐんじゃねぇよ、古城。頭に響くだろうが! どうせ死んだって生き返るんだから文句ねぇだろ」
「文句大有りだ!」
「事情はよくわかりませんけど、お兄さんには、無事にいつものお兄さんに戻って欲しいです」
それまで黙って話を聞いていた夏音が、古城を横顔を見つめて言った。
「優麻さんの姿も素敵ですけど、私にとってお兄さんは、お兄さんですから」
「叶瀬……」
「同意」
カボチャの被り物で顔を隠した、
人工生命体
(
ホムンクルス
)
の少女が口を開く。
「アスタルテ……?」
「比較検討した結果、第四真祖がオリジナルの肉体に復帰することを私は主観的に望んでいると判断しました。総合的に不合理な選択ですが」
「そ、そうか……」
アスタルテが顔を変えずに呟く。
「そうだね。ボクもいつもの古城君に戻ってほしいと思うな」
「逢崎……」
無邪気な笑顔で彼女はケーキを口に運びながら言う。
「まぁ、古城がいつもの身体に戻らねぇとなんか気が狂うんだよな」
「お前は、いつも通りだな」
古城は隣にいる雪菜を見た。
「え? な、なんですか!?」
期待のこもった古城の視線に雪菜が慌てる。
「わたしはただの監視役ですから……先輩がどんな姿でも任務を果たすだけですけど」
「……だよな」
古城は苦笑する。
するとポケットに入っている彩斗のスマートフォンがメールの受信を知らせる。
「誰だ?」
液晶を確認するが見覚えのないアドレスから送られてきている。
メールを確認する。
そのメールの内容に驚愕を隠せない。
【親愛なる”
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”殿へ。梟と獅子以外の眷獣は使用するな。PS”
書記
(
ノタリア
)
の魔女”には注意しろ。電脳の姫より】
すると、ズン、と低い衝撃が
人工島
(
ギガフロート
)
の大地を揺さぶった。
「なんだ、この感覚!?」
「キーストーンゲートの方向です!」
真っ先に反応したのは雪菜だった。銀の槍を握り店の外へと飛び出す。
それ
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