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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
蒼き魔女の迷宮篇
20.宴の始まり
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たな」
『LCO第一隊“
哲学
(
フィロソフィ
)
”のメイヤー姉妹か』
「ああ」
LCOは高位の魔術師、そして魔女だけで構成されている巨大犯罪組織だった。構成員は数千人規模。強力な魔道書を多数有しており“図書館”という通称はそこから命名されている。メイヤー姉妹は、そのLCOでも有数の武闘派だ。
実戦経験の少ない本土の攻魔師が、太刀打ちできる相手とは思えない。
「今回の騒ぎの目的が“
書記
(
ノタリア
)
の魔女”なら、連中も同盟のひとつやふたつ結ぶだろうよ。あの女が持っている闇誓書には、それだけの価値がある」
『管理公社の執行部も、浅葱の嬢ちゃんと同じ意見か。てことは、魔女姉妹があちこちで空間の歪みを引き起こしてる理由は──』
「ああ。連中はアレを探してるんだ。今のところはまだ手こずってるみたいだが」
島全体に広がる身秩序な空間の歪み。それが逆に魔女たちの目的を明確に表していた。
空間を歪めることで、絃神島周辺に隠れているものを探し出そうとしているのだ。このペースだと見つかるのも時間の問題だ。
『なるほどな、南宮那月を動かせないのは、それが理由ってわけか、ククッ』
「認めたくはないが、おかげで深刻な戦力不足だ。ほかに単独で“アッシュダウンの魔女”を撃破できる手駒というと、吸血鬼の貴族か、獅子王機関の剣巫クラスだが……』
矢瀬が苦悩の表情で頭を掻く。姫柊雪菜、逢崎友妃の二人なら、魔女の姉妹相手でも遅れを取るようなことはないだろう。
しかし、二人を引きずり出せば、同時にこの島の二つの不安定な魔力限である第四真祖と
神意の暁
(
オリスブラッド
)
を動かすことになる。ただでさえ空間が不安定な状態で眷獣など出されたら、それこそ収拾がつかなくなる。
貴族の方など論外だ。
『そういや、姫さんが事態の収拾に手を貸してもいいと言ってるそうだぜ。ただし条件つきだがな』
「条件?」
戸惑う矢瀬のPC画面に、ラ・フォリア王女からのメールが転送されてくる。
「……あの女、正気か?」
『噂以上のじゃじゃ馬だな。ケケッ、そういうのは嫌いじゃないがな』
時刻は正午をすぎたあたり。西地区の繁華街のカフェにいた。
お祭りムード一色となった街には、色とりどりの屋台や露店があふれ、道路は仮装した観光客でごった返している。
「美味しいですね、このカボチャプリン」
「私もさっき食べたところでした。こちらのパンプキンパイもなかなかです」
「ボクは、このパンプキンケーキが好みだな」
同じテーブルに座った雪菜と夏音、友妃は、大皿山盛りにしたスイーツをせっせと取り分けていた。六人が注文したのは、九十分間限定のケーキバイキング食べ放題。
「おかわりをどうぞ、
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