第六幕その四
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「有り難く受けさせてもらうよ」
「よかったわ、それじゃあね」
「うん、パーティーの場でも会おう」
「そこでも楽しみましょう」
「では今から諸君にこの国で最高のご馳走を楽しんでもらおう」
兎の王様は陽気そのもののお顔で皆に言いました。
「今から」
「どんなお料理が出ますか?」
ナターシャが王様に尋ねました。
「兎の国のご馳走とは」
「まず人参にね」
それにというのです。
「キャベツにレタス、今は豆も出るよ」
「お豆ですか」
「あれはいい、今や我々の主食だよ」
王様は兎の主食が何かもお話してくれました。
「他にもとっておきのものがあるから」
「だからですね」
「私達も」
ナターシャに続いて恵梨香も応えます。
「そのご馳走をですね」
「今から頂けるんですね」
「そうだよ、では今から皆で食べよう」
こう言ってでした、そのうえで。
一行は兎の王様に案内されて王宮の見事な食堂に案内されました。そこのテーブルに着いてからでした。
カルロスがです、考えるお顔で四人に尋ねました。
「それで何だと思う?」
「あの白い粉ね」
「それのことね」
「うん、何だろうね」
こう恵梨香とナターシャに言うのでした。
「お米でも小麦粉でもないっていうけれど」
「ええ、そうね」
「何かしらね」
「チーズとかでもないみたいだし」
「チーズ?私達はチーズは食べないよ」
向かい側にドロシーやモジャボロと並んで座っている王様が答えてきました。
「それはね」
「そうですか、兎の国ではチーズは食べないんですね」
「乳製品は食べないよ」
それはというのです。
「ミルクは飲むけれどね」
「それでもですか」
「そう、チーズはね」
「じゃあ粉チーズは」
「粉チーズも食べないよ」
とにかくチーズはというのです。
「兎と鼠は親戚だけれどそこは違うよ」
「鼠はチーズを食べますが」
「兎は違うよ」
そこはというのです。
「そのことはわかっておいてね」
「わかりました、じゃあ一体」
「そうだ、君達に是非食べてもらいたいものがあるんだ」
ここで王様は皆に明るい顔で言いました。
「我々の新しいご馳走だよ」
「それをですか」
「今から」
「うん、食べてもらいたいんだ」
こうしたお話をしているとでした、やがて。
兎の国のご馳走達が来ました、人参やキャベツ、レタスに大豆のお料理にです。他にはジャガイモのお料理もあります。どれもお野菜やそうしたものです。
そしてその中にです、黄色がほんの少しだけかかった感じの白いぱさぱさとした感じの粉がありました。その白いお皿の上にある粉を見てです。
ナターシャも男の子達もです、目を瞬かせて言いました。
「何かしら、これ」
「ううん、何かな」
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