第一章
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れだけの金がかかっているのかわからないその社長室の中において。彼は言うのだった。
「捏造をするなどとは」
「筆誅を加えるだけだ」
井上はその彼に対して平然と返した。葉巻を傲慢な態度で吸いながら。
「それだけだが文句あるのか」
「ですから捏造ではないですか」
彼は必死の顔でまた井上に告げたのだった。
「それは」
「捏造?それがどうした」
井上は倣岸そのものであった。
「俺達はな。世論を報道するんじゃない」
「報道するのではない!?」
「世論を創るんだ」
そうだと言うのである。報道するのではなく創るのだと。こう言い切ったのだ。
「マスコミはな。この世で一番偉いんだぞ」
「権力者だというんですか」
「そうだ。そして俺達は常に正しい」
あまりにも傲慢な言葉はなおも続く。
「何をしても許されるんだよ」
「それは権力者だからですか」
「そうだ」
だからだというのである。
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