暁 〜小説投稿サイト〜
やはり俺がワイルドな交友関係を結ぶなんてまちがっている。
誰がどう見ても、諸岡金次郎は小物である。
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警察と消防団で下ろしちゃったわよ」


「………………」

「………………」

俺たちの間になんとも言えない空気が流れる。

「…………まぁ、そういう事だ。お前らもまっすぐ帰れ」

堂島さんがため息をついて言った。

「そうですね…………ほれ、行くぞ小町」

そういって、小町ともう一度手を繋ぎなおす。
その様子を堂島さんが見つめていた。

「……どうかしましたか?」

「…………いや、仲が良いのはいいことだな」

それだけ言うと、堂島さんは俺たちに背を向けた。

「じゃあ、気をつけて帰れよ」

「はい」

「叔父さんも、お仕事頑張ってくださいね」

堂島さんが人だかりに消えて行くのを見送って、俺達も歩きだす。

のどかな田舎だと思っていたのに、まさかの人死にだ。俺達の周りには死が付きまとっているんじゃないか。
そんな風に考えてしまい、自分のネガティブ思考に嫌気がさす。

ふと、小町が身を寄せてきた。
その様子がどうにも儚く、頼りないものに思えて。繋いだ手をぎゅっと握りしめた。





『死体を見つけたとき、どう思った?』

『え、えっと…………』

自室のテレビに映った第一発見者に見覚えがあるような気がして、俺は荷解きの手をとめた。

今日の怪死体ーー山野アナが電線に引っかかって死亡していた事件についてのニュースの、第一発見者へのインタビューが映っていた。

…………思い出した。こ、小……小西、だったか。今日早退した、俺の隣の席の女子だ。
ということは、あの直後に死体を発見したということか。

インタビュー映像は、特に明確な返答があるわけでもなく終了した。

『ジュネスは毎日がお客様感謝デー。見て、触れて下さい。エヴリデイ・ヤングライフ・ジュネス』

CMになったので、テレビを消した。
時計を見ると0時一分前。窓を叩く雨音が聞こえてくる。

再び荷解きを始めようとした時のことだった。

カチッと時計の三本針が重なる音がして。

ジジッと消した筈のテレビの画面がうっすらと光始めた。

同時、昨日も感じた激しい頭痛が襲ってきた。

痛い、痛い。

『ーー我は汝、汝は我。汝、扉を開く者』

ついに幻聴まで聞こえだした。

足元がおぼつかない。フラフラとした足取りで、テレビに寄りかかる。
いや、寄りかかったはずだった。

「…………!?」

テレビの画面に手を置いたはずが、その感覚がなかった。それどころか、手が、テレビに刺さっている!?
自分のおかれた状態を正確に把握する間もなく。

「う
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