暁 〜小説投稿サイト〜
やはり俺がワイルドな交友関係を結ぶなんてまちがっている。
誰がどう見ても、諸岡金次郎は小物である。
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て来ているのかと思ったんだけど。
ばかいえ。誰が興味のない事を進んで追うかよ。
ーーそっか。
ーーふふ、君は、もしかしたらこちら側の人間なのかもしれないね。
すっと声がどこかへ引いていき、そして霧の中には俺一人が残された。
………………おい。
これから俺にどうしろと? 俺はここがどこなのかすら分かっていないというのに。
マンガとか小説的には、ここで霧が晴れるか、夢が覚めるところですよ?
………………マジで放置かよ。
はあ、とため息をついて、一歩踏み出す。
その時だった。
霧の奥から、この状況に似つかわしくない排気音が聞こえてきた。
どこか安らぎを覚えるようなその重低音は、次第にこちらへ近づいてくる。
ーーーーーーっ
突然、視界が青く染まった。
そのとき俺は説明のつかない不思議な感覚に襲われていた。
感覚がフワフワしているのに、思考だけはハッキリしている。そんな、夢と現実の狭間にいるような感覚。
景色が変わった。
車内、のはずだ。
窓の外で一方向に流れていく霧と、車特有の排気音がそれを表している。
だが、内装が異様。
さながらバーのような設備と、電灯もないのに照らしてくる青い光。
そして、極めつけがーーーー
「ようこそ、ベルベットルームへ」
俺の正面。向かいあう形に設置されたシートに座る男。
ぎょろりとした目と、物理法則を無視していそうな鼻をもつ老人が、この空間の異質さを如実に表していた。
「ーー私の名はイゴール。お初にお目に掛かります」
長っ鼻が口を開く。
「ここは、夢と現実、精神と物質の狭間にある場所。本来は、何かの形で契約を果たされた方のみが訪れる部屋」
…………電波的な感じですか?
いや、どうにもさっきからの状況を見るに適当を言っている訳ではないのだろうが、それにしてもおかしいだろ。
俺は契約何てした覚えはない。ついでにするつもりもない。誰が進んで会社と契約なんて結んでやるか。百歩譲って保険会社くらいだ。
「まあ、お待ちください。あくまで本来は、ということでございます。もしかしたら貴方には近い将来、そういったことが待ちうけているのやもしれません」
断固として拒否したいね、そんなのは。
「フフ、貴方がそう望むのならば、そうなるやもしれませんな」
適当だな、おい。
「ーーそれにしても、つくづく珍しい雰囲気をもつお客様だ。今までのどのお客様とも似つかない」
そりゃ、俺がぼっちだからだろ。
「ふむ…………貴方のように変わった定めを持つお客様がワイル
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