第1部
第1話 我、帰還ス
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1隻でも多く、付き合ってもらうわッ??」
全力で砲撃しながら突き進む。
更に2発、直撃弾が艦橋と甲板を襲い、装甲板を吹き飛ばした。
それでも前進はやめない。
やめてはならない。
此方にも、戦艦としての矜恃がある。
35.6cm連装砲が唸り、砲口から徹甲榴弾を吐き出す。
吐き出された砲弾は宙を舞い、深海棲艦の艦隊の前衛、駆逐艦イ級の艦体を貫いた。
砲弾はイ級の弾薬庫を直撃、徹甲榴弾の炸薬と弾薬庫の砲弾が連鎖爆発を起こし、イ級は艦体を真っ二つに引き裂かれ、轟沈した。
更に2発の徹甲榴弾が、後続の重巡洋艦リ級の艦橋と艦体後部、機関部を爆砕。
航行能力を失ったリ級は操舵を誤ったのか、はたまた操舵能力も失ったのか、並走していた軽巡洋艦ホ級に衝突。
ホ級の艦体を裂きながら、ホ級と共に自沈した。
「やっ…と……3隻……まだ、行け……ッ??」
空気を裂く軽い音に空を見上げる。
まるで腐肉に集るハエの様に、深海棲艦の群を成した艦載機と、大量の爆弾が空を埋め尽くしていた。
「くっ…あ…あああっ、きゃああああああああああッ??」
次々と投下されて来る爆弾が、艦橋を、砲を、甲板を吹き飛ばして行く。
そして遂に、艦体に走った亀裂が爆ぜ、大量の海水が艦内に浸入して来た。
メキメキと艦体が軋む音と共に、見上げた視線の先には、敵艦載機の第2波が迫っていた。
「皆さん…山城……提督………一葉ちゃん…ごめんなさい」
数分後には、もうこの空を仰ぐことも無いだろう。
敵艦載機が降下を始めた。
様々な想いが走馬灯の様に流れて行く中、1人、静かに目を伏せ、最後の刻を迎えた。
『させるかってんだよぉッ??』
大音量で鳴り響く何かが目の前を通り過ぎ、上空の敵艦載機が爆ぜた。
「……え?」
『ったく、飛ばし過ぎたな…帰りの燃料あるといいが……』
其処に居たのは、白い巨人。
20mはあろうかと言う巨躯に、2本の黄色い角を生やし、純白の装甲に身を包んだロボットだった。
『こんな所で諦めるなんて、らしく無いな扶桑姉さん=A俺との約束を破る気か?
破ったら魚雷千発っていったよな』
そんな筈が無い、と頭で否定するも、心の中では確信が生まれ始めて居た。
幾分大人びているが、その声には聞き覚えがあった。
信じられない。
あり得ない。
でも……。
形容し難い現実が、目の前に広がった。
ずっと夜霧の闇に包まれていたようなこの世界が、視界が、暖かな光で満たされて行く。
『姉さん、ただいま』
「……おかえりなさい」
???
「さて、どうするか…なっと??」
背後から接近して来た深海棲艦の艦載機を、ビームサーベルで斬り伏せる。
真っ二
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