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鎮守府にガンダム(擬き)が配備されました。
第1部
第1話 我、帰還ス
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に合ってくれ…ッ??」

ブーストペダルを踏み込み、トライブースタと機体各所のバーニアが火を吹いた。
加速して行く機体が艦隊をどんどん離れていくにつれて、快晴の蒼空と鈍色の海が、全天周囲モニターを包んだ。

『提督、お供しますッ??』
『俺も行くぜッ?? カズハッ??』

後ろから反応2、ヴィドフニルとリンドヴルムから2機のMSが飛び出して来た。
ラリーのリゼルCとバーナード・ワイズマン¢蛻ムのザクUFU型とベースジャバーだ。

「…ったく、行くぞッ?? フォーメーショントレイル(単縦陣)、最大戦速だッ??」
『『了解ッ??』』


???


3分後 1024艦隊
戦艦扶桑


深海棲艦の砲弾が直撃し、艦体を震わせる。
直撃弾15発、魚雷3発、爆弾5発の攻撃に耐えた艦体は、既に限界を超えていた。

「申し訳御座いません、提督…私はここまでの様です」
『ダメだ扶桑ッ?? 諦めるなッ??』

船体中央の隔壁に亀裂が走った。
最早鎮守府まで逃げ果せる事も叶わない。

「せめて一矢、報いらせていたたぎます……進路反転ッ?? 全砲門、交互斉射ッ?? 始めッ??」
『扶桑ッ??』
『いやッ?? 扶桑姉様ぁッ??』


艦橋の上に立つ自身の耳に提督の声が突き刺さる。
無線越しに聴こえる姉妹艦娘の山城の悲鳴を背に、敵艦隊へ突き進む。

「私の最後がこの場所なんて……最後の最後でツキが回ってきたわ」

この場所に眠る彼の元へ行けるならば、これ程良い死に場所は無い。


『ねぇねぇふそうおねぇちゃん、どうしたらおとうさんみたいなていとくさんになれるの?』
『そうですねぇ…いっぱいお勉強して、野菜の好き嫌いが無くなれば、きっとなれますよ』
『うー、なすもたべなきゃだめ?』
『ええ、いっぱいお勉強して、いっぱい食べて、大きくならないと提督には成れないわ』
『……じゃあふそうおねぇちゃん、おべんきょうもいっぱいするし、なすもたべるから、かずはがおおきくなって、ていとくさんになったら、ふそうおねぇちゃんをかんたいのきかんにしてあげるね』
『あらあら、秘書艦にはしてくれないの?』
『もうね、かがおねぇちゃんとおやくそくしちゃったの、ごめんなさい』
『ふふふ、なら私も約束してあげる。
一葉ちゃんが大きくなって、提督になったら、艦隊旗艦になってあげるわ。
私も、一葉ちゃんや加賀に負けない位頑張って見せなくてはならないわね』
『やくそくだよ? やぶったら、ぎょらいせんぱつだよ?』
『ぎ、魚雷千発は勘弁して貰いたいわ……』


結局、その約束が果たされる事は無かった。
それでも、皆を護り、戦って沈むなら、それは戦艦として本望だ。
何故なら、私達は兵器なのだから。


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