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インフィニット・ストラトスの世界に生まれて
心を開いて、妹さん その二
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の距離を一気に縮めにかかる。

『今のわたくに一夏さんの真似をして近距離格闘を挑もうとしても無駄ですわよ』

セシリアのそんな言葉が聞こえるが、そんなことは百も承知だ。
セシリアの攻撃を受けたくはないが、覚悟はしている。
今俺に必要なのはセシリアとの間合いなんだよ。
ISの生み出す加速で俺の見える世界が急激に狭まっていく中、五条の光が俺に向かって来ているのを視界にとらえていた。
セシリアの距離が詰まるころには攻撃を三発ほどくらいシールドエネルギーが削られる。
セシリアと俺の距離はもう十メートルもないだろう。
俺はここで新装備を試す。

肩にある物理シールドの舳先をセシリアに向けると、目標をセンターに入れてスイッチ。
ドドドというよりは、ロケット花火が飛んでいくようなシュシュシュといった感じの音だろうか。
片方のシールドに八発、両方で計十六発のミサイルがセシリアに襲いかかる。
これだけ近ければ全部はかわせまい。
セシリアも俺に攻撃を受けると思ったようで回避しようと動き出したようだが、気づくのが少し遅い。
セシリアも俺のISの見た目と装備が変わったのは知っていたかも知れないが、どう変わったのか知らなかったようだ。
俺とセシリアの間を爆煙が水落とした絵の具のように一瞬のうちに広範囲を黒々と染めていく。
それを目眩ましにして、今度は距離を取ろうとすると、ドンという腹の底に響いてくる音が俺の耳の奥にある鼓膜を震わせる。
これはラウラの『シュヴァルツァ・レーゲン』のレールカノンか。

『アーサー、知っているか? 人は首を切られても十分は生きていられるそうだ。それを今ここで試してやろう』

『ラウラがそんなこと言ってると一夏にチクっちまうぞ』

『今すぐ貴様の口を封じれば問題あるまい』

と言ったかと思うと、四つのワイヤーブレードが俺に向かってくる。
俺を捕まえてからどうにかするつもりか。
俺の将来の夢は小さな庭のついた一戸建ての家に嫁さん住み、子供は二人くらい欲しいかな。
で、犬か猫のどちらか一匹飼うのが夢なんだ。
だからこんなところで死んでたまるか!
俺は向かってくるワイヤーブレードをかわし、それができない場合は物理シールドで矛先をずらす。
そしてラウラの隙を見てスターライトマークVで攻撃をしようとしたとき、ヒュンヒュンと風を切り裂く音が聞こえてくる。
今度は……シャルロットか?

『ボクだって本当は大切な友達にこんなことはしたくないけど……でもね、礼儀を知らない野良犬には躾を教える必要があると思うんだよ』

俺を大切な友達だと言いながら、犬畜生扱いか? しかも野良犬って……ひでえな、おい。

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