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マブラヴオルタネイティヴ〜鳥と獣と海賊と〜
プロローグ
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なく突っ込んでいく。
 敵の攻撃がビームであるのであれば、トビアが駆るクロスボーンガンダムは最高のアドバンテージを発揮する。
 機体に装備された4機のIフィールド発生装置と機体が羽織っているABCマントがビームであるその攻撃を部分的に無効化し、2機が通れるだけの穴を穿ち出す。
 ビームの壁を抜けた瞬間、マークは機体をロールさせ、トビアの機体の前に躍り出る。そのままバード形態に変形させたフェニックスとバルバトスとの距離を更に詰めさせる。

「ここらで幕引きと行こうじゃないか!」

 意気込みの言葉と共に彼はその目を更に鋭くさせ、その口元には勝利を確信した笑みを浮かべる。
 フェニックスガンダムの特徴的なウイングバインダーから液体金属が噴出し、機体全体を包む。そして機体自体が1つのエネルギー弾と化し、真っ直ぐに突き進んでいく。
 バルバトスは迎撃の為に動こうとするが、シールドのIフィールドで攻撃を凌いだユニコーンガンダムとクロスボーンガンダムの牽制射撃の為、それをできずにいた。

「捉えた!」

 そして、弾丸と化したフェニックスガンダムはその切っ先をバルバトスの胸部にめり込ませる。
 その瞬間、勝敗が決したと確信した3人の頭に直接響くようにある声が聞こえてきた。

(………けて)

「「「?」」」

 それは弱々しい女の子の声。そしてその声は段々と強く響く。

(……助けて)

(何かに怯えた声?いや……だがこれは……)

(この感じ……以前どこかで?)

「君は………誰?」

 マークはその声を冷静に分析し、トビアはその声の感覚にどこか既視感を覚えた。そして、問いかけるようにバナージは声を出す。バナージの疑問はマークもトビアも思っていたことなのか、聞こえてくるその女の子の声を待っていた。
 だからこそ、次に聞こえてきた声に3人は驚く。

(タケルちゃんを助けてよ!!!!!)

「「「ッ!!!」」」

 これまでの弱々しい声ではなく、願うように、縋るように、叫ぶように聞こえたその声に3人は眉を潜めた。
 その声に気を取られていたからだろう。3人は気付かなかった。撃墜したと思われたバルバトスから眩い光が漏れ出していたことに。
 そしてそれに気づいたとき、3人は機体ごと光に飲まれ、その空間から、そしてこの世界からその存在を消すこととなった。








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