プロローグ
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してもう片方は額と胸、両肩にドクロのマーク、そして全身を黒い板状の金属パーツをマントのように羽織る機体、クロスボーンガンダムX1・フルクロスであった。
この2機のパイロットはそれぞれ、バナージ・リンクスとトビア・アロナクスという2人の少年である。まだまだ若いというよりも幼い2人であるが、機体の相性や個別の技能により、パイロットとしての腕前は部隊の中でもトップクラスであった。
「このエリアの残存する敵機は全て排除した。後はシステム中枢に突っ込むだけか」
機体のコクピットで現状を確認とステータスチェックをしながら、マークは呟いた。その声音は冷静なもので、戦場では仲間に安心感を与える威厳に満ちていた。
そんな彼の言葉に通信で答える声があった。
『それは俺の役目だ。ここまで、手伝ってくれただけでもありがたい。あとは俺に任せて帰投しな』
マークとは違い、どこか飄々とした喋り方ではあるが強い意志を含んだ声。そう答えたのはコード・フェニックスであった。
マークは彼の言葉に一瞬眉を潜め、返事を返そうとするが、その言葉を紡ぐ前に彼の小隊に所属する2人の少年からの言葉の方が早かった。
『ここまで来て引き下がるつもりはありませんよ!』
自分の決意を表すようにそう声を発したのはトビアであった。そしてトビアに続くようにバナージも言葉を発する。
『自分達の存在する世界がどうなるのか……それがこの戦いで決まるのなら、最後まで見届けたいです』
2人の少年の言葉に面食らう表情をするコード・フェニックス。通信機越しに見たその彼の表情に内心苦笑しながら、マークは子供に便乗する自分を情けなく感じながらも意見を口にする。
「このまま単機で先行するのは自殺行為だ。それにこちらとしてもそちらをシステム中枢に無事に送り届けるという任務がある。それを今更放棄する気はない」
『……すまない』
コード・フェニックスのその返答を了承と受け取り、その4人は機体のスラスターに火を入れた。
そしていよいよ、システム中枢であるコアユニットが存在するエリアに進入した瞬間、その4機を襲う新たな機体が姿を表す。
『あれは……バルバトス?!』
青を基調としたその敵機を見ると声をあげるコード・フェニックス。その声を通信機越しに聞いていたマークは敵機の情報を詳しく聞き出そうとするが、その前にコクピットのモニターに映るバルバトス、否、正確にはバルバトスミラージュが動きを見せたことにより、反射的に叫ぶ。
「各機、散開!」
マークの指示が発せられると4機はそれぞれ四方に散る。そのすぐ後、これまで4機がいた空間に高出力のビームが光の帯を伸ばしてくる。その光の太さと着弾した箇所を確認するとその威力が破格なものであると、即座に
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