第一章
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りすのナトキンのお話
りすのナトキンには困ったところがあります、お母さんはナトキン自身にお家である木の中に作った穴の中で言いました。
「ナトキン、あなたは少し態度が悪いわよ」
「えっ、そうかな」
ナトキンは自覚していないお顔でお母さんに言葉を返しました。
「僕そんなに態度悪いかな」
「そうよ、お行儀が悪いし」
それにというのです、お母さんは。
「いつもなぞなぞばかり言って」
「あれは僕の趣味だよ」
やっぱり自覚していない顔で返すナトキンでした。
「だから何も問題ないよ」
「そう言ってこの前どうなったのよ」
お母さんは気が気でなりません、それでナトキンにさらに言うのでした。
「梟のブラウンさんが怒ったでしょ」
「ああ、あのことだね」
「そう、お医者様に看てもらって治ったけれど」
「あれは痛かったよ」
「尻尾が大変なことになったでしょ」
こう言うのでした。
「またああなりたいの?」
「いや、それはね」
「そうでしょ、だったらね」
「もっとお行儀よくしなさいっていうの?」
「年上の人におかしなこととか言わないの」
それが大事だというのです。
「さもないとまた怒られるわよ」
「ブラウンさんに?」
「ブラウンさん以外にもよ」
ブラウンさんだけに限らないというのです、怒らせる相手は。
「他の人もよ」
「お母さん心配し過ぎじゃないの?」
「し過ぎじゃなくて普通よ」
普通程度に心配しているのです、お母さんにしてみれば。
「今度何かあったらどうするのよ」
「どうするのって」
「今度は尻尾だけじゃ済まないかも知れないわよ」
「だからお行儀よくっていうんだ」
「そう、態度をあらためなさい」
お母さんは厳しい声で我が子に告げました。
「わかったわね」
「大丈夫だよ、お母さん」
本当にわかっていません、ナトキンのお顔は平然とさえしています。
「心配しなくても」
「そう言ってどうなっても知らないわよ」
「何かあっても逃げるしね」
「鼬さんからも?」
「ブラウンさんでもね」
この前怒らせた梟さんでもだというのです。
「僕逃げ足には自信があるから」
「その自信がかえって危ないのよ」
「捕まるっていうの?」
「そう、捕まってからじゃ遅いのよ」
「そんなのないって、絶対にね」
ナトキンは本当にわかりませんでした、お母さんが言うことは。そしてお母さんが言い終わるとすぐにdした。
お家を出ました、そのうえでこう言うのでした。
「晩御飯までには帰るよ」
「お父さんが帰って来るまでに帰ってきなさい」
「うん、わかったよ」
「とにかくよ」
ここでまた言うお母さんでした。
「お行儀よくね」
「またそう言うの?」
「言うわ
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