第40局
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の負けは痛かったけど、伊角さんも負けてくれたんだ。ここで引くわけにはいかない!
白の飯島は外マガリ型だった。お互いしっかり時間を使いながら丁寧に打ち進め、定石が終わろうかというほぼ最後、本田が中央に飛んで上辺を補強した黒の一手。その一手が敗着だった。飯島はすかさず、左辺の黒三子にカケる。その一手で、左辺の黒三子が死んだ。本来ならば黒の勢力となる一帯が白地となってしまったのだ。本田の顔色が一気に真っ青になった。
−本田は知らない形だったか…。前回足立に負けてあせっていたかな?最後の大寄せで間違って勝ち碁をひっくり返されたからな。俺が勝ち残る可能性は低い。だが、簡単に負けてやるつもりはないぞ。
この日、飯島対本田は飯島の勝ち、和谷対塔矢は塔矢の勝ちとなった。
そして、それ以外の上位陣に黒星がついた。足立が院生の高倉に負け、奈瀬が外来の畑中に負けたのだ。
奈瀬の敗因ははっきりしていた。序盤で慎重になりすぎ、時間を使いすぎたのだ。その結果、中盤で秒読みに入ってしまい、畑中が仕掛けてきたコウ争いに負け、逆転となった。
−時間さえあれば、今日の碁は勝てたのに……。いえ、結局は言い訳ね。時間がなくなったのも自分のせい。これで伊角君と並んだ。でも、ここで踏みとどまらないとね。残りは6戦か……。
第22戦。
この日上位陣同士の対局は、7敗の飯島対8敗の足立で組まれていた。
この日も飯島は大なだれ定石を仕掛けたが、足立は難解戦になるのを嫌い避けた。その結果、ゆっくりとした碁になり、勝負は終盤までもつれ、ヨセ勝負となった。
この日、飯島対足立は足立の勝ちとなった。その他の上位陣に波乱はなかった。連敗をまぬがれた奈瀬と和谷は、ほっと息をついていた。
ここまでの結果、上位陣の成績は次のようになった。
塔矢 22勝。
奈瀬 19勝3敗。
伊角 19勝3敗。
辻岡 18勝4敗。
本田 17勝5敗。
真柴 17勝5敗。
和谷 16勝6敗。
小宮 16勝6敗。
足立 14勝8敗。
飯島 14勝8敗。
片桐 14勝8敗。
残り5戦となり、対戦表を眺めながら本田は考えていた。
ここまで奈瀬と伊角さんに注目が集まっていたけど、辻岡さんも負けないな……。やばいな、この人もう上位との対局が残っていないんだよな。23戦で片桐さん、26戦で小宮とあたるくらいか。残りを全勝されると23勝になって俺は追いつけない……。もう上位同士の対局も少ないもんな。24戦で俺と奈瀬。25戦で伊角さんと奈瀬。27戦で俺と真柴か…。
第23戦。
この日上位陣同士の対局は、4敗の辻岡対8敗の片桐、3敗の伊角対7敗の飯島で組まれていた
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