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ソードアート・オンライン リング・オブ・ハート
47:その勇姿と共に
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のだ。
 憔悴し、慌ててユミルのHPバー……そしてデバフアイコンを確認したところで気づいた。

「なんだ、このアイコンは……!?」

 今のボロボロの体のユミルのバッドステータスであるデバフアイコンは今、四つも並んでいる。まずは見るもおぞましいブラッドレッドの《部位欠損》。それが胸部と右肩部の二つ。三つ目はデイドから受けた麻痺毒によるイエローの《麻痺》。そして同じく濃緑色の《ダメージ毒》なのだが……この濃緑色のアイコンが、いかにも毒々しい紫色に変色していたのだ。こんなの見たことも……
 ……いや、確かコレには聞き覚えが……

「まさか……高レベル(ポイズン)……!?」

 俺はもしやとシステムウィンドウを呼び出し、マニュアルページのバッドステータス、各レベルの毒解説ページへと目を映らせる。そこには散々見慣れたレベル1のウィーク(ポイズン)やレベル2のライト毒、レベル5のリーサル毒などが続き……そして該当の紫アイコンの解説を見つける。そこには……
 ――レベル9:ディープ(ポイズン)。この毒には解毒結晶を使用することができず、レベル9以上の専用解毒ポーションの使用・もしくは各主街区に点在する教会や病院施設での治療でしか治癒することが出来ない。また、この毒に(かか)ったプレイヤーはその間、あらゆる回復・結晶アイテムを受け付けなくなる。
 ……とあったのだ。

「なんだと……」

 これまででレベル9などという高レベルの毒は、多くの毒を扱っている闇市場でも、今の最前線のクモ型などの猛毒を持つモンスターからですらも見たことがない。
 マニュアル解説ページにこそ書いてあったが、こうして実際に目にしたのはこれが初めてだった。
 さっきのユミルへの致命傷を与えた不意打ちの時に、新たにこの毒を塗り込んでいたのか……!
 デイドの製薬能力を侮っていた。かなりの腕前であることはスキル数値や手持ちの素材から分かってはいたが、まさかここまでとは……。持ち物調査の時、もっと入念に薬品やレシピを調べておくべきだった……!
 それに、さっきあいつの言っていた「どの道助かりはしない」とは、こういう意味だったのか……!

「デイドのやつ……最後の最後に、とんでもない置き土産していきやがって……」

 今も刻一刻とHPを減らし続けるユミルは他人事のように、自嘲を織り交ぜた苦笑を漏らした。
 この毒の減少率は最大HP値を元にしたパーセンテージ形式で減少するらしく、今では一〇〇を下回っているユミルの場合では約十秒ごとに1ずつのみ減少していっている。
 しかし……これでは、もう……

「ねぇ、キリト……間に合わないんなら、キリトにお願い、していいかな……? マーブルへの、伝言……」
「ば、馬鹿な事を言うなっ……!」

 し
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